《岩本勉のガン流F論》失点につながった野村の外野守備 責めることはできない
■パ・リーグ22回戦 日本ハム1ー4楽天(9月23日、楽天モバイルパーク宮城)
なりを潜めた巧みなコーナーワーク 失点の仕方も悪かった
こんな上沢は珍しい。立ち上がりから、ボールが暴れていた。もともと、巧みなコーナーワークが持ち味の投手。この日に限り、特に一回り目は、球種で打者のタイミングをずらすピッチングしかできていなかった。
そして失点の仕方も良くなかった。0―2の六回表。万波が反撃ののろしを上げる一発を叩き込んだ。その直後に2点を奪われ、突き放された。
投手は繊細な生き物 要因は1つではない
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要因はいくつかある。登板間隔は中14日。体は十分に軽かったはずだ。その体を思うように操ることができなかった。ピッチャーとは実に繊細だ。そして楽天の先発・岸は絶好調。もう追加点は与えられない。そんなプレッシャーも作用したはずだ。
三回は3者凡退。一汗かいて、「らしさ」を取り戻したかに見えたのだが…。この日ばかりは、KOされたと言わざるを得ない。結果論ではあるが、ボールが暴れているならば、四球を出してもいいぐらいの開き直りで、バッターに向かっても良かった。
向上心を持った積極的な〝ミス〟
四回の失点シーン。左翼を守っていた野村を責めることはできない。2死一塁で、辰己の打球に対し、ダイビング捕球を試みた。ボールは後ろにそれ、一走の生還を許した。うまく捕球できていれば、3アウト目。ピンチの芽を摘むことができた。もし、ダイビングを敢行していなければ、「スタートが遅い」と言われているかもしれない。
外野が本職ではない。あの場面、ワンバウンドで処理すべきか、チャージで良かったのか。それは既存の外野手や担当コーチと話し合えばいい。ただ、日々の姿から、外野手として向上しようと前向きな姿が見て取れる。
今、最も信頼できる万波 エスコンで量産を
本塁打のタイトルを争っている万波は今、打線の中で最も勝負できるバッターだ。24号を放った打席も見事だった。甘く入ったとはいえ、追い込まれながらも、岸のインコース直球をはじき返した。週明けの25日からはエスコンフィールドで4連戦。ここでトップに躍り出てもらいたい。