エース上沢 自己ワーストに並ぶ9敗目もプライドにじむパ・最多投球回
■パ・リーグ22回戦 日本ハム1ー4楽天(9月23日、楽天モバイルパーク宮城)
中14日での先発マウンド 六回途中4失点で降板
日本ハムの上沢直之投手(29)が23日、楽天モバイルパークで行われた楽天戦に先発し、5回⅔を投げて9安打4失点で自己ワーストに並ぶ9敗目を喫した。
登録抹消を経て、15日ぶりの登板だったが、踏ん張りきれず「勝てるチャンスをしっかりつくることが僕らの仕事。それができずに悔しい」と唇をかんだ。
イニング途中での交代 ゆがむ表情
2本の適時打を浴びた後の六回2死一、二塁。建山投手コーチがマウンドにやって来て、新庄監督が球審に交代を告げた。走者を置いたまま降板することになり、上沢の表情がゆがんだ。万波の本塁打で追い上げムードになっていただけに「3点目、4点目は何とかしたかった」と声を絞り出した。
不運な打球の連発にも言い訳せず 「僕の実力不足」
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四回2死一塁では、フラフラと上がった飛球に、左翼手の野村が果敢にダイブも及ばず、後ろにそらして適時二塁打となった。1点差に詰め寄った後の六回2死二、三塁では、打ち取ったはずのゴロが適時内野安打。運にも見放された。試合後は「自分でコントロールできない部分もあった」と認めつつ「これも野球なので仕方ないですね。僕の実力不足」と黒星の責任を背負い込んだ。
リーグトップの投球回数 リリーフの負担軽減を意識
入団12年目の今季は特別だった。昨オフの契約更改でメジャー挑戦の意思を球団に伝え、臨んだ。自らの状態が上がらなくても、チームが停滞しても、リリーフの負担軽減を意識し、長いイニングにこだわった。積み上げてきた数字が、これを証明する。今季の投球回はこの日を含めて164。パ・リーグ最多だ。
次回が今季ラスト登板の可能性も 「しっかり最少失点で」
いよいよ戦いは佳境。次回登板が今季ラストの可能性もある。締めくくりは重要で「きょうみたいに点を取られたら元も子もない。しっかり最少失点で、長いイニングを投げられるようにしたい」と語気を強めた。チームのために尽くすスタイルは変わらない。ドラフト6位からはい上がった生え抜きエースは、最後の瞬間まで信念を貫き通す。