【高校ラグビー南北海道大会】立命館慶祥が2連覇へ王手 バックスから転向のナンバー8戸沼が決勝トライ
■全国高校ラグビーフットボール大会北海道予選(9月23日、札幌・定山渓BBG)
▽南大会準決勝 立命館慶祥17-8函館ラ・サール
昨年初優勝から監督が代わり 高島新体制となって2年連続決勝
2連覇へあと1勝。南大会準決勝は、昨年初優勝した立命館慶祥が17-8で函館ラ・サールに逆転勝ち。8月の札幌支部大会から、元キヤノンでプレーした高島忍新監督(31)が就任。新体制となっても2年連続で決勝に駒を進めた。決勝は札幌支部決勝で完敗した札幌山の手と札幌ドームで再戦する。
残り6分で逆転 戸沼「あとは走るだけでした」
5-8で折りかえした後半。一進一退が続き、両チーム無得点のまま残り6分。我慢の時間帯を無失点で乗り切ると、ナンバー8の戸沼太良(3年)が、相手陣内左サイドで矢本凌大(3年)からのパスを受け、左隅に逆転のトライ。「矢本くんのワンパスで引きつけてくれて、フリーな状態で、あとは走るだけでした」。前半5分にも2人のホットラインで先制点を上げている必勝パターン。去年までバックスだったチームNO.1の俊足が勝利を引き寄せた。
去年の花園はバックスとしてベンチ入り
コンバートが生きた。去年の花園では出場機会はなかったが、バックスとしてベンチ入り。新人戦からは走力を生かしたトライゲッターに指名され「右も左も分からないままスクラムを組むことになりました」。当初は戸惑いがあったが、すぐに前を向いた。「ウイングだった時は外までボールが回ってこなかったら走れなかった。エイトになってから、試合の中でボールに触れる機会が増えたり、エイタン(エイト単独)とか、外ポットとしてボールもらったりして、ウイングの時よりもボールが触る回数が増えて、自分がプレーできる時間が増えました」。水を得た魚のように、プレーの幅が広がり、チームへの貢献度も上がった。
立命館大出身でキヤノンでもプレーした監督が技術を還元
チームは今年4月、系列の立命館大出身の高島氏が赴任して生まれ変わった。8月には監督に就任し、「いろいろラグビーに還元したいと思っていた。附属に強くなってもらいたくてという思いもあった。8年もプロでやってると、いろんなスクラムの組み方、ラインアウトの技術は、頭の中にあります。高校生でもできることはありますし、レベルの差はありますけど、できるところから教えて、それができ始めると、生徒たちもすごくやりがいがありますし、いいプレーになる」と、自らの技を惜しみなく還元する。
変化はすぐに形になって表れた。戸沼はナンバー8だが「スクラムがすごい強くなった。今まで慶祥はスクラムで押せなかったことも結構あったけど、高島さんのキヤノン式スクラムとかモールとか、いろいろ教えてもらって、かなり良くなった。モールのバリエーションが増えましたね。ラインアウトのバリエーションが結構多くなって、サインも増えた。選択肢が広がりました」と、肌で感じている。
札幌支部決勝では札幌山の手に7-57で完敗
いよいよ決勝で、札幌山の手とリベンジマッチが実現する。8月の札幌支部決勝では7-57で完敗した。しかし、その試合では、戸沼が右足の捻挫で欠場。「代わりに1年生がエイトをやってもらってたんで、システム的に、ちょっとぐちゃぐちゃな場面があった。今はメンバーもフルの状態で札幌ドームに向かえると思う。自分が山の手と支部で戦えてないので、全部見せていきたい」。昨年同様、支部敗退からの頂点獲りで、2連覇を成し遂げる。