札幌主力4人不在のピンチ 完全合流のDF西野奨太が守備陣救う「どこでもできます」
■9月26日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
岡村、宮澤、荒野が出場停止、馬場がアジア大会で欠場
生え抜きの19歳が緊急事態の守備陣を救う。北海道コンサドーレ札幌は30日のホーム柏戦(札幌ドーム、13時キックオフ)へ向け、2日間のオフを挟んで26日練習を再開した。この日の練習から左ハムストリングの肉離れで別メニュー調整中だったDF西野奨太が完全合流した。柏戦ではDF岡村大八(26)、MF宮澤裕樹(34)、MF荒野拓馬(30)が累積警告で出場停止。さらにDF馬場晴也(21)がU-22日本代表としてアジア大会に参戦中。主力級4人不在のピンチを、高校2年の21年に飛び級でトップチームに昇格した期待の若手が最終ラインで勝利に貢献する。
今季リーグ戦初出場のチャンス
ケガ続きで長期離脱していた西野に、今季終盤でリーグ戦初出場のチャンスが訪れている。この日は狭いエリアでの4対4や、ハーフコートを使った崩しの練習を精力的に消化した。「体が動きすぎて逆に怖い(笑)。今までだとハムやったからハムを鍛えようとか、もうちょっと筋力あげようとか、もっと走ろうとかだけだったんですけど、もっと体の使い方とか、細かいとこだと足の踏み方とか、いろんなところから気にかけながらリハビリできたんで大丈夫」と表情は充実感に満ちていた。
前節ベンチ入りも、出場はなし
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前節の名古屋戦では、まだ万全の状態ではなかったがリーグ戦3カ月ぶりのベンチ入りを果たした。出場はなかったが「あの時より今の方が状態はだいぶ良い。今は本当に人がいない。いつ名前を呼ばれてもいいように、しっかりこの後のケアから自分の体に向き合ってやってやれば(チャンスが)来た時にはしっかりプレーできる。焦らず、徐々に状態を上げれたらいい」。ケガの再発に細心の注意を払いながら紅白戦などでアピールしスタメン出場を勝ち取るつもりだ。
6月磐田戦で肉離れ、リハビリ中に再度肉離れ
社会人1年目、ここまではケガに苦しめられてきた。3月のルヴァン杯開幕戦の鳥栖戦(駅スタ、0△0)にフル出場するなど4試合に出場。ところが5試合目となった6月18日の同杯磐田戦(札幌ドーム、2●3)で左足ハムストリングの肉離れを負傷し交代。「そのあと復帰したんですけど、次の週ぐらいにまたトレーニング中に太ももが気になっちゃって。そのリハビリ中にもう1回離れて。じゃあ復帰しようっていう時のスプリントで完全にパーンって。今回はちょっと長くて5、6週かかっちゃったけど、いい経験になりました」。孤独でつらい作業の繰り返しだったが、ピッチに立つことを糧に乗り越えてきた。
ルヴァン杯プライムステージ「柊摩くんが代わりに出た」
プロはやはりピッチにたってこそ。9月6日、10日のルヴァン杯プライムステージ・横浜M戦に、アカデミーの2学年先輩で25年の加入が内定しているMF木戸柊摩(大阪体育大3年)が出場。「自分が出れなくて柊摩くんが代わりに出た。結果、敗退しちゃいましたけど、少しでも高いレベルで経験できるチャンスを自らケガで逃したのが一番悔しかった」。千載一遇のチャンスを今度は誰にも渡さない。
「裕樹さんみたいなプレースタイルかな」
今季のリーグ戦で3バック中央のスタメンは宮澤と岡村のみ。3バック右が主戦場だが「どこでもできます」と試合出場に飢えている。「守備の予測だったり、自分が完成すれば裕樹さんみたいなプレースタイルの選手なのかなって思っている。予測して相手より先に動くだったり、自分のスピードのなさをカバーできれば」。シーズンも終盤戦。残り6試合でしっかり存在感を示し、来季のさらなる飛躍へつなげていく。