北海道文教大附の背番号9・新谷龍矢が1失点完投&決勝打「全道に文教の名を残したい」【高校野球秋季大会札幌支部】
■秋季全道高校野球札幌支部(9月27日、札幌円山)
▽Aブロック1回戦 北海道文教大附7-1立命館慶祥
立命館慶祥打線を9回7安打1失点
背番号9がマウンドで躍動した。北海道文教大附の新谷龍矢(2年)が立命館慶祥戦に先発し、9回7安打1失点の完投勝利を挙げた。四回には決勝点となる先制適時打を放つなど打撃でも見せた。札幌支部の開幕戦で夏ベスト8に進出した立命館慶祥を下し、全道大会進出へ大きな一歩を踏み出した。
最後は気力を振り絞った。6点リードの九回2死満塁。152球目で最後の打者を遊ゴロに仕留めて新谷は雄叫びを上げた。「今まで練習試合をしてきた中でも一番だったと思います。途中から真っすぐもコントロールが付けられるようになってきたので良かったです」と汗をぬぐった。公式戦初登板で見事に9回を投げ切った。
高校入学後、本格的に投手挑戦
秋季大会直前に評価を急上昇させた。8月中旬の苫小牧中央との練習試合で9回1失点(自責0)と完投するなど結果を残した。本格的な投手挑戦は高校入学後。公式戦の登板経験がないことから背番号1は翁翔琉(かける、2年)に譲ったが、中村亮太監督(35)は「練習試合でも調子が良かった」と新チームの公式戦初戦を託した。
石山主将の助言で2カ月間で制球力向上
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また、リベンジが懸かった一戦でもあった。札幌支部の抽選会直前に立命館慶祥とは練習試合を戦っていた。結果は1-4で敗れ、新谷は先発し七回途中4失点で敗戦投手となっていた。「上位の3、4人は打ってくるので、気持ちを乗せました」。120キロ中盤の直球と変化球を低めに集める丁寧な投球で八回までゼロを重ねていった。この2カ月間で制球力が大きく向上した。きっかけは女房役の石山塁主将(2年)からの助言だった。「投げる時にキャッチャーのミットをずっと見るように言われてから、コントロールが付くようになりました」。
「ちょっと焦ったけど抑えることができた」
疲労が蓄積した九回には2本の長短打と2四球などで失点を喫し、中村監督は「最後もう一本打たれるか四球を出したら交代を考えていた」と翁をブルペンで準備させていたが、その翁を横目に「投げ切るつもりではいた。ちょっと焦りましたけど抑えることができました」と踏ん張り、最後までマウンドを譲ることはなかった。
全道大会進出へ第1関門突破
バットでも自らを援護。0-0の四回2死三塁から直球を左前に運び、自ら均衡を破った。2021年春に野球部が復活してから、未だ支部予選突破はできていない。「3年生が土台を作ってくれたので、自分たちがその土台を踏み固めて、全道に文教の名を残したい」。悲願達成に向け、まずは第1関門を突破した。