【一問一答】引退試合&セレモニー終えた谷内 「幸せな野球人生でした」
■パ・リーグ24回戦 ロッテ4ー2日本ハム(9月27日、エスコンフィールド北海道)
今季限りでの現役引退を発表している日本ハムの谷内亮太内野手(32)が27日、引退試合に臨んだ。ロッテ戦に「7番・三塁」で先発出場し、二回に先制打を放つと、内野全ポジションと右翼を守って途中交代した。
試合後にはセレモニーが行われ、家族やチームメートの松本剛、野村、杉浦から花束を受け取ると、目を光らせた。最後はサプライズで元ヤクルトの宮本慎也さんが登場。慣れ親しんだ遊撃のポジションに就き、憧れの人からノックを受け、有終の美を飾った。セレモニーでのスピーチ全文と試合後の一問一答は以下の通り。
【スピーチ全文】
「まずはじめに、このような素晴らしい場をつくってくださった球団関係者の皆さま、そして遅くまで残ってくださっているファンの皆さま、本当にありがとうございます。今シーズン限りで現役を引退させていただきます。スワローズで6年間、ファイターズで5年間、合計11年間。自分でもここまで長くプレーするとは思っていませんでした。本当に運が良かったなと思います。そして最後に引退試合やセレモニーまで行っていただいて、プロ野球選手生活を辞められるなんて夢にも思っていませんでした。
あらためて現役生活を振り返ると、感謝という言葉しか浮かんできませんでした。スワローズやファイターズで僕に携わってくださった監督、コーチ、チームメイト、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。たくさんの素晴らしい出会いやご縁に恵まれて僕はここまでプレーすることができたと思います。本当にありがとうございます。
ファンの皆さん、最後まで応援してくださって本当にありがとうございました。大した成績を残せず、中途半端な選手である僕にも、球場で大きな声援を送ってくださり、背中を押してもらったと思っています。自分の実力以上のプレーが何度も出たのは、ファンの皆さまのおかげだと思っています。本当にありがとうございます。
そして家族のみんな。正直、つらい時や苦しい時の方が圧倒的に多かったプロ野球生活でしたが、みんなのおかげで最後まで前を向いて頑張り切ることができたと思います。試合前の『頑張ってね』と、帰ってからの『お疲れさま』。こういう日常が僕の日々、頑張る活力になりました。最後までエネルギーを与え続けてくれて本当にありがとう。
ファイターズはこれからもっともっと強くなるチームだと思っています。ファイターズファンの皆さん、これからも応援し続けてください。そして選手みんなの背中を押してあげてください。チームが強くなるための手助けをしてください。よろしくお願いします。最後に僕はこの大好きな北海道で、大好きなファイターズで引退することができて本当にうれしいです。いろいろな方に支えられて最後までやりきることができました。幸せな野球人生でした。11年間本当にありがとうございました」
【一問一答】
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―引退試合を終えて、どんな気持ちか
「エラーもなかったし、ヒットも打てたし、良い一日になったなと思います」
―まだまだやれると思った人も多い
「それはもう決めたことなので、自分の中で後悔はないですけど、せっかくならチャンスで回ってきましたし、今までやってきたことをこの打席で出そうと思ってやったので、ある程度やってきたことが間違いではなかったなっていうのが一つ、自分の中で分かったことは、すごい良かったかなと思います」
―内野全ポジションを守ることは試合前から聞いていたか
「それははい、聞いていました」
―どう受け止めてプレーしたか
「自分がやってきたことは、ああいうことだと思いますし、どこのポジションにどこのタイミングで行ってもベストを尽くすってところでずっとやってきたので、良い経験になりました」
―最後のライトは
「あれはちょっとびっくりしちゃったんですけど、良い経験になったなと思います。ライトスタンドのファンの方に近いところであいさつできたっていうのは、監督からのプレゼントだと思いますし、そこは感謝したいなと思います」
―ライトは聞かされていなかった
「ライトは聞かされてはいなかったです」
―最後のセレモニーでは、大先輩の宮本慎也さんが登場した。どんな思いだったか
「ちょっとそれまでは泣きそうだなとか、そういう気持ちがあったんですけど、一瞬でどっか行きました(笑)」
―緊張感か
「本当にノックやるのか、これは失敗できねーぞって。また選手の気持ちになりました」
―いつも通りにと言っていたが、試合中の心境に違いはあったか
「そんなに違うとかはなかったというか、正直これが最後だなとか考えている余裕もあんまりなかったですし、こういう打球が来たらどうしようとか、イメージをしながらプレーしていたら、あっという間に4イニング過ぎちゃったので、そういう面ではいつも通りやれたんじゃないかなと思います」
―ベンチに戻って来た時に、チームメートとハイタッチして、監督とはハグをしていた。どういう気持ちだったか
「正直、引退試合とかセレモニーとか、人ごとで考えていたところがあるので、まさかこうやって自分が現役を終えることができるっていうのは、思ってもいなかったことですし、不思議な感じでしたね」
―涙はグッとこらえたのか
「なんかフワッとしていたというか、あんまりかみ締めるっていうよりは、本当に終わるのかなーみたいな感じだったと思います」
―チームメートが登場曲を変えたり、谷内への演出をみんなでしていた。どう感じたか
「まあ正直、きのうまでの登場曲もあんまり知らないので、それが変わっているのかどうかも、あんまり実感はないんですけど、そんなこともチラッと聞いたりして、なるほどって思った。でもそうやって思い返したら、良い曲、思いが入っている曲が多かったかなと思うので、僕は逆にありがとうですね」
―適時打の直後、ファンが号泣していた
「これが最後だと思って、見てもらいながら辞められるっていうのは本当に幸せだと思いますし、多くの選手は急に辞めるってなって、あの時、最後だったんだってファンの皆さんはそうなっちゃうと思うので、そういう意味では一つ、ファンの方たちへの恩返しの形にはなったかなと思います」
―守備より打撃が好きと言っていた。打撃で引退試合に花を添えた
「守備で仕事をしていても、練習していれば、ああいう場面で打てるようになるよっていうのは、一つ自分の中で示せたことなんじゃないかなと思います」
―木田2軍監督からのTシャツをみんなが着ていた。どんな気持ちか
「また目立ちにきたかって(笑)。こういう時期になると、木田さんが目立っちゃうので。そういう感じです」
―最後の内野守備は一ゴロ。去年の…
「あのエラー? そうですね。正直ずっと飛んでくるなって思っていたんですけど、確かにそうですね。かえってきたっていうか、最後1つアウト取れて良かったです。ちょっと焦っちゃったんですけど、何とか取れて良かったです」
―11年間、信条にしていたこと、ポリシーは
「僕は2軍暮らしが長かったので、毎日、後悔がないように。今年、辞めることになったとしても、あの時あれをしていれば良かったなとか、そういう、結果の後悔じゃなくて、準備の後悔だけはしないようにっていう気持ちでずっとやってきたので、そこは最後までやりきることができたと思いますし、一つの誇りじゃないですけど、そういうのかなと思います。大した成績も残していないので、そういう自分の中の取り組みに対して誇りは持てたかなと思います」
―きょう一日はどんな一日だったか
「こんな幸せな日はないなっていうのが一番ですかね。球場に来てこれだけ花を持たせていただいて、ずっと自分を見てくれている一日、そういう一日ってなかなか僕のプロ野球生活ではなかったと思うので、ちょっと主役ってことで恥ずかしい部分はありましたけど、良い気分で終われるなと思います」