2軍戦で好投の金村 上沢流で変化球の意識改革「真っすぐのつもりで」
■イースタン・リーグ17回戦 ヤクルト3ー5日本ハム(9月29日、鎌ケ谷スタジアム)
ルーキーイヤー白星締め 7回3失点(自責点2)
7色の変化球を駆使し、上々の手応えをつかんだ。日本ハムのドラフト2位・金村尚真投手(23)が29日、2軍ヤクルト戦に先発し、7回6安打3失点(自責2)。ルーキーイヤー最後の公式戦を白星で締めた。
来季に向け充実の内容 テーマ完遂
すでに来季の準備を始めている。この日のテーマは、「全球種でストライクを取ること」。狙い通り、持ち球のスライダー、カーブ、パワーカーブ、カットボール、ツーシーム、スプリット、チェンジアップを全て使って9三振を奪った。
「1軍で投げた時、どうしても変化球の割合が自信のあるボールに片寄ってしまっていた。きょうはいろんな変化球でカウントも取れましたし、空振りも取れていたので、良かったんじゃないかなと思います」と笑顔を見せた。
エース直伝の2球種で投球に幅 助言にも感銘
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沖縄出身右腕はプロに入り、変化球に対する意識が大きく変わったという。きっかけは、春季キャンプで上沢からツーシームとカットボールを教わったことだった。
「カットもツーシームも、両方あまり曲がらない球種。僕は、変化球は曲がってほしいタイプだった。ピッチャーから見て曲がっているなって感じないと、良いなって思えなかった。でも、上沢さんは真っすぐのつもりで投げていると。投手が今の曲がっていない、悪いなと思っていても、キャッチャーやバッターは感じ方が違うこともあると教えてくれた。僕自身、上沢さんに教わった意識で投げて、曲がってないかなって思っても、キャッチャーの人には曲がってたよって言ってもらったりして、『これでいけるんだ』って気付かされました」。試行錯誤を重ねながらシーズン中も投げ続け、今ではどちらも大事な球種の一つだ。
深めた自信 悔しさも味わったプロ1年目
今季は開幕ローテーション入りを果たし、1軍で2勝1敗、防御率1・80と高いポテンシャルを示した。その一方で、けがでの離脱も経験した。
「けがをして、分かったこともある。1年間しっかりローテに入って投げる難しさだったり、先輩のすごさだったりをすごい感じた1年だった。良いピッチングをするだけじゃなくて、毎週、投げ続けるための調整方法をこれからしっかり学んでいきたい。1軍でずっと活躍している先輩たちの姿を見て、僕も来年は絶対という思いになった。チームを代表する投手になれるようにやっていきたい」と意気込んでいる。
来季の目標はシーズン1軍完走 目指すは優勝あるのみ
新人王資格も残る来季の目標は1年間ローテーションを守り抜くこと。
「僕はずっと、完璧に抑えたい欲があった。7回を投げるなら、絶対に無失点で抑えたい。それは悪いことではないんですけど、それを意識しすぎると1年間もたない。変な話、6回2失点でもいいかなっていう気持ちの余裕も大切だなって。1軍で投げた時も、1点を取られてもいい場面を完璧に抑えようとして、逆に打たれることがあった。状況次第ですけど、1点はしょうがないって割り切ることも大切。自分よりもチーム優先で考えて、気持ちの余裕を持って投げたい」と力を込めた。
自身の白星や防御率よりも、チームが勝つ確率を高めることが最優先。余裕ある〝大人の投球〟で、優勝の原動力になってみせる。