ファイターズ
2021/10/31 14:40

大海新人10勝達成!栗山監督ラストゲームに花添えた

お待たせしました! ラストゲームとなった栗山監督(左)と共同作業で10勝目のポーズをつくった伊藤(撮影・桜田史宏)

 ■日本ハム5ー3ロッテ(30日、ZOZOマリン)

 大海が10勝到達で有終の美だ! 日本ハムは30日、敵地で2位のロッテに5―3で勝利し、ホーム最終戦から3連勝。3年連続の5位でシーズンを終えた。今季限りで退任する栗山英樹監督(60)のラストゲーム。先発の道産子右腕・伊藤大海投手(24)は7回5安打1失点と奮起し、勝利を呼び込んだ。達成まで6度の足踏みも、球団の新人では2006年の八木智哉以来15年ぶりとなる2桁勝利。チームを去る指揮官とは“男の約束”を結んだ。

 野球の神様が、最後の最後にほほえんだ。シーズン最終戦で、伊藤が6度足踏みしていた2桁勝利を達成。「1」のバルーンを持つ栗山監督の横に並び、両手で頭上に「0」を作って喜びを表現した。
 指揮官に協力してもらい、10勝目ポーズを披露。「僕はまだ1年目ですけど監督の勝利数の10勝に携われたと考えたら、すごく感慨深いところがある。少しでも恩返しできたのは良かった」と、トレードマークのえくぼがくっきり浮かんだ。
 今季限りで退任する栗山監督にとってラストゲーム。「絶対に球界の中心のピッチャーになっていく」と期待を込められて送り出された。最速151キロを計測した直球と多彩な変化球を交えて、7回1失点の粘投。悔いを残さないよう全力で腕を振った。
 いつも体を気遣ってくれた栗山監督に勝利をプレゼント。ゲームセットの直後には、ある約束を交わした。伊藤が勝利球を贈ろうとすると、いったん受け取った指揮官から「このボールの中にはオレの魂を込めた。200勝のときにもらう」と返された。超一流選手の証しである通算200勝を託され、胸が熱くなった。
 球団の新人では2006年の八木智哉以来15年ぶり10勝到達。試合前にはSNSで2桁敗戦を喫すると90年酒井(10勝10敗)以来、球団31年ぶりというデータを目にしていた。重圧が懸かる中、故郷から届いたメッセージにパワーをもらった。母・正美さんが「エール」として、日の出前の鹿部の海の写真を送ってくれた。
 1年目の今季は東京五輪で侍ジャパンの一員として、金メダル獲得に貢献。開幕からローテーションを守り、146イニングを投げ規定投球回にも到達した。
 「まだまだ上沢さん、加藤さんの投球を見ていると自分には足りないところが多い。良いところは盗んで、常に探究心を持って、常に上に上にを心掛けて、取り組んでいきたいと思います」
 「ファイターズのエース」を目指してこぎ出した伊藤大海の航海は、まだ始まったばかり。栗山監督との約束を果たしたその先にゴールがある。

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