2人の同期、去りゆく天才… 札幌DF田中駿が様々な思いを胸に主力4人欠場のピンチ救う 30日ホーム柏戦
■9月29日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
守備を統率して3試合ぶり勝利へ
北海道コンサドーレ札幌は30日のホーム柏戦(札幌ドーム、13時キックオフ)に向けて、攻撃やセットプレー練習などで最終調整を実施した。柏戦でリーグ戦29試合連続先発出場が濃厚なDF田中駿汰(26)が、主力選手が不在となる一戦で守備陣を統率し、チームを3試合ぶりの勝利へと導く。
MF荒野、宮澤、DF岡村、馬場が欠場
札幌に今季最大級とも言えるピンチが訪れている。柏戦は23日の前節・名古屋戦に引き続きMF荒野拓馬(30)が出場停止。そしてその名古屋戦で、MF宮澤裕樹主将(34)とDF岡村大八(26)が共に今季4枚目のイエローカードをもらってしまい、累積警告による出場停止処分を受けてしまった。中国で行われているアジア大会に出場中のU-22日本代表DF馬場晴也(21)も含めると、守備の主力選手が4人同時に欠場となる緊急事態だ。
DFラインの中で唯一同じポジションで全試合出場
ダブルボランチやディフェンスラインに、普段のポジションとは異なる選手を配置することが予想される。その中で守備陣をけん引する役割を期待されるのが、チームでただ一人、リーグ戦全試合での先発出場を継続している田中駿だ。「いつも裕樹さんやハチくん(岡村)がディフェンスラインを引っ張る役割をやってくれていますけど、その選手たちがいない中で、ずっと後ろで出てきた自分が裕樹さんたち以上に声を出して統率していかないといけないという思いがあるので、いつも以上に周りを見ながらやっていければ」。活発なポジション争いの中、様々な選手が先発起用されてきた今季の札幌。その競争を開幕戦から全28試合で勝ち抜き続けてきた田中駿が、高いポテンシャルと積み上げてきた経験を武器に、この難局に立ち向かう。
相手の元札幌MF高嶺と同期対決は1勝1敗
共に大卒で札幌に加入した同期の柏MF高嶺朋樹(25)との今季公式戦3度目となる対決にも注目が集まる。ここまでの2戦はいずれも柏のホームである三協F柏で行われ、最初の戦いとなった6月3日のリーグ戦は後半アディショナルタイムに生まれた田中駿の勝ち越しゴールによって5-4で札幌が劇的勝利を飾り、2試合目の8月2日天皇杯4回戦では前半22分の先制点を守り抜かれて0-1で柏に惜敗した。