キャプテンマーク巻いたDF福森「主力がいないというのは言い訳に過ぎない」 ホームで柏に悔しい敗戦
■J1第29節 札幌1-2柏(9月30日、札幌ドーム)
出場停止で主力欠き ベンチにGK2人という異例の事態
主力選手4人を出場停止などで欠くという満身創痍の状態で柏レイソル戦に臨んだ北海道コンサドーレ札幌は、2点ビハインドの後半6分にMFスパチョーク(25)の今季リーグ戦7得点目で追い上げを見せるも、あと一歩届かずホームで悔しい敗戦を喫してしまった。
主力不在の影響を大きく受けた守備陣は、3バックに右からDF田中駿汰(26)、DF中村桐耶(23)、FW菅大輝(25)を配置。ダブルボランチはDF福森晃斗(30)とMF駒井善成(31)がコンビを組んだ。控えメンバーは選手が足りずにGK2人がベンチ入りするという危機的状況だった。
普段とは違うメンバー構成にチグハグ
ポジションが本職であった田中駿と駒井以外も、それぞれが今季の公式戦で先発出場を経験していた位置だったが、普段とは違う微妙なかみ合わせもあってか、開始1分もしないうちに二度も好機をつくられるなど、いきなり出ばなをくじかれてしまう。攻撃の基盤である自陣からのビルドアップも、相手の積極的な前線からのプレッシングによってうまくつなげられない場面が目立ち、前半20分ごろまでは柏ペースで試合が展開していった。
「いるメンバーでやるしかないのは分かっていたこと」
この試合でキャプテンマークを巻いた福森は「主力がいないというのは言い訳に過ぎないし、いるメンバーでやるしかないのは分かっていたこと。出るメンバーがもっと良い準備をして、立ち上がりから良いプレーをしなければいけなかった」と、立ち上がりの悪さを悔やんだ。
前半21分に先制を許し、同38分に2点目
それでも徐々に札幌がペースを取り戻しつつあった前半21分に思わぬ形で試合が動く。左サイドに位置していた中村からのサイドチェンジのボールをカットされると、柏のカウンターが発動。相手FW細谷真大(22)のスピードに翻弄され先制点を許してしまう。
「1失点目も2失点目も…」
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試合を振り出しに戻したい札幌は福森のFKから菅がダイレクトボレーを放つなどゴールへと迫るが、次の1点を手にしたのも柏。同38分、再び細谷に札幌守備陣の隙間を突かれ、クロスボールにフリーでトラップされて右足シュートを打ち込まれてしまった。「1失点目も2失点目も後ろに人数はいたので、内から、内からと守備をすればズレなかったと思います。2失点目は自分が自陣のゴールに来させないように、もっと手前でプレーを遅らせられれば、もう少し良い方向に向いたかなと思うので、2失点とも非常に悔やむ失点でした」と反省した。
シュートは柏の13本を上回る17本
ホームで意地を見せたい札幌は後半に入って反撃を開始する。「前半とは打って変わって、立ち上がりからテンポ良くビルドアップできましたし、それに柏があまりついて来られていない印象だったので、このテンポでいけばゴールには近づくと思っていました」と福森が振り返るとおり、スパチョークのゴールで1点差に迫ると、柏が繰り出すカウンターに耐えながらも札幌は幾度となくチャンスをつくり出す。
最終的に柏の13本を上回る17本のシュートを放ったが、ゴールネットを揺らすまでには至らず、終了のホイッスルを迎えることとなってしまった。「(スパチョークのゴールの)その後もチャンスがありましたし、自分たちがしっかり決めきることができれば、ひっくり返せる試合でした」と前を向く。
中断明けの横浜M戦に勝てば7年連続J1残留確定の可能性も
リーグ戦は3週間の中断に入る。再開初戦は優勝争いを繰り広げている横浜Mとのアウェーゲーム(10月21日、日産ス)だ。「自分たちはもう優勝争いもできない順位にいてしまっていますが、まだ残留が決定したわけでもないので、しっかり目の前の試合を勝つための準備をするだけ」。勝利すれば他会場の結果次第で7年連続となるJ1残留が決まる一戦。中断期間に難敵撃破に向けての準備を積み重ね、横浜の地で2024年もJ1で戦うためのチケットを手に入れてみせる。