4年目右腕の立野 2軍戦で6回1安打無失点 快投呼んだ栗山前監督流の思考法
■イースタン・リーグ18回戦 ヤクルト1ー5日本ハム(9月30日、鎌ケ谷スタジアム)
四回までパーフェクト投球 6回を18人斬り
最悪を考え抜き、最高の結果を手にした。日本ハムの立野和明投手(25)が30日、2軍ヤクルト戦に先発し、6回1安打無失点の快投で4勝目をマーク。四回までは圧巻の完全投球を披露し、6回を打者18人で抑えた。
「結果を出してアピールするしかない。やっぱり、1軍で勝ちたい。1軍でこういう投球がしたい」。試合後は満足することなく、さらなる高みを見据えていた。
登板前夜のルーティン 最悪の事態を想定
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登板前夜、4年目右腕は最悪の事態をいくつも想定する。プロ2年目に、当時の栗山監督から「常に最悪のことを考えて、前日から準備しろ」と教えを受け、今も実践し続けている。
「栗山さん方式です。例えばサインミスしたとか、先頭を追い込んだのに四球を出したとか、初回に3ランを打たれたとか、朝起きて、おなかが痛かった時のために薬を準備しておこうとか、いろいろな最悪を考えて試合に入るようにしています」
今回も実践 「いざ起きた時に落ち着いて対処できる」
29日の夜は、同日に2軍戦で先発した金村の動画を見ながら、さまざまなシチュエーションを頭に入れた。
「金村がどういう攻め方をして、打者がどういう反応をしているか、一巡目から最後まで一通り見て、じゃあ自分だったらどうする、自分がこうなったらどうするって、悪いことばっかり考える。そうすることで、それがいざ起きた時に落ち着いて対処できる。きょうは6回無失点でしたけど、次の試合も悪いことだけ考えて入ります」と、今後も栗山監督流の思考法を継続していくつもりだ。
胸に秘める勝利への執念と感謝の気持ち 来季へ気持ち新た
根底には、勝ちへの執念と応援してくれる人たちへの感謝がある。「応援してくれている人がいる限り、感謝の気持ちを持ってマウンドに立ち続けようと思っていて、それは今年1年間ずっとできた。一人でも応援してくれる人がいる限りは、ありがとうございますって思いながら投げています。だからこそ、やっぱり2軍だろうが、1軍だろうが勝ちたい。先発には試合を壊さない責任がある。勝って、いろんな人に恩返ししたい」
今季はここまで、1軍登板は4試合のみ。来季こそ、多くの勝利をファンに届ける。