札幌MFスパチョークが主力欠く柏戦で意地の一発 日本の天才から授かったもの
■J1第29節 札幌1-2柏(9月30日、札幌ドーム)
チーム3位の今季7点目
北海道コンサドーレ札幌のMFスパチョーク(25)が30日、札幌ドームで行われた柏戦の後半6分に3試合ぶりの得点を決めた。昨季途中に加入したタイの至宝は、今年5月13日湘南戦で来日初ゴールを決めると、6月24日C大阪戦で初先発。今節は5試合連続のスタメン入りで、早くもチーム3位となる7点目のゴールを奪った。
体を投げ出して右足ボレー
主力3人が出場停止、U-22日本代表のDF馬場晴也(21)も欠く緊急事態でも関係なかった。後半に攻勢を強めた札幌の中で唯一の輝きを放った。同6分、MF小林祐希(31)がペナルティーエリア手前右の位置から相手の意表を突くフライスルーパスで走り込んだMF浅野雄也(26)に合わせようとしたが、惜しくも相手GKに弾かれると、ピッチの中で誰よりも先に反応したのがスパチョークだった。体を半分投げ出して右足ボレーでゴールへ流し込んだ。試合後は「ワンツーからのシュートだと思ったけど、うまくこぼれ球を拾えた」と喜んだ。
「(小野に)アドバイスしてもらったから今もJリーグでプレーできている」
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昨季は出場わずか6試合だったが、今季はここまで20試合に出場し7得点と気を吐いている。その活躍の裏には、やはりあの天才の存在があった。今月27日の誕生日に今季限りの引退を発表したMF小野伸二(44)だ。タイの至宝も「一緒に練習できるだけで光栄なこと」と、その存在の大きさを肌で感じ取ってきた。「タイからやって来て、ターンの仕方とか、動き方を教えてもらった。いろいろアドバイスしてもらったから今もJリーグでプレーできている」と最大限の感謝をする。
「この先も楽しい人生を」
人間性にも感銘を受け、「すごい良い人」と大尊敬する存在だ。「引退はするけど、この先も楽しい人生を送ってほしい」と、今季が終われば次のステージに向かう小野へエールも送った。
チャナの記録にあと1
2021年まで在籍したタイのメッシことMFチャナティップ(29、パトゥム・ユナイテッドFC)が日本で記録した年間最多ゴールは18年の「8」。スパチョークはタイ人選手の最多記録にあと1点に迫った。日本の天才に感化されたタイの至宝は、まだまだ伸び盛り。残り5試合での〝チャナ超え〟も当然、射程圏内だ。