【高校ラグビー北北海道大会】遠軽が初の札幌ドーム決戦制し8年ぶりの花園へ全国一番乗り
■全国高校ラグビーフットボール大会北海道予選(10月1日、札幌ドーム)
▽北大会決勝 遠軽27-22旭川龍谷
斉藤歩主将が1トライに5本のキック成功
遠軽が旭川龍谷の追い上げを振り切り、8年ぶり11度目の優勝を果たした。開始2分、ゴール正面で得たスクラムから右に展開し、センター斉藤歩夢主将(3年)が先制のトライ。斉藤歩主将はコンバージョンキック3本と、ペナルティーキック2本の合計5本全てを正確なキックで次々と成功させた。12月27日に花園ラグビー場で開幕する全国大会一番乗りを決めた。
過去に3年連続で決勝で敗れた旭川龍谷を下し〝ドーム初代王者〟に
序盤のリードを守り切った遠軽が、初の札幌ドーム決戦を制して〝ドーム初代王者〟に輝いた。同校OBで就任7年目の石崎真悟監督(45)は、2019年から3年連続決勝で旭川龍谷に敗れ、あと一歩のところで全国の舞台を逃してきた。それだけに「個人的には、やっぱり旭川龍谷さんを超えないと、その先はないのは分かっていた。龍谷さんがいたから、僕らも切磋琢磨して、厳しいトレーニングを乗り越える目標にできた。そこに結果として勝てたことは、本当に選手たちをたたえたい」。最後は笑顔で3度宙を舞った。
正確なキックで主導権握る
勝負どころで斉藤歩主将のキックが光った。自身のトライは先制の1個に留まったが、14-0から1トライを許した後の前半26分には、ゴール正面で得たペナルティーキックをしっかりと決め、再び主導権を取り戻した。
外してたら「負けていたかも」
さらに後半23分にもペナルティーキックを決め、コンバージョンキックと合わせて5本成功。チーム総得点の半分以上を占める17得点をマーク。「コンバージョンキックは2点しか入らないんですけど、すごく貴重な2点。全部外していたらたぶん同点とか、もしかしたら負けていたかもしれない。そこをしっかり決められて良かった。8年ぶりに花園出場を決められて、すごいうれしい」と、満面の笑みを浮かべた。
代役ナンバー8も負傷退場するピンチ 「須貝と山田の分まで」
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
再び訪れたアクシデントをチーム一丸で乗り越えた。チームの大黒柱・ナンバー8を務めるはずだった山田真生(3年)が8月の支部予選で右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂し欠場。代わりに須貝亮太(3年)が務めてきたが、前半15分に頭を打って途中退場。競技歴が高校に入ってからという経験の浅いフランカー・斉藤昂(2年)が急きょピッチに立った。
後半開始時、「須貝のためにもやるぞって、みんなで一つになった」と石崎監督。斉藤歩主将は「須貝がけがしてと、チームもけっこう落ちてたけど、3番の星(樹音)がチームを鼓舞してくれて、その分、自分たちもキャリーで前に出たり、それよりも走ったり、タックルは低く刺さったりというのを意識してと、須貝と山田の分までみんなで全力で戦いました」と、一つ一つのプレーでこれまで以上に力を振り絞って、ライバルに立ち向かった。
ニセコで札幌山の手と3泊4日の合同合宿
後半6分にトライを許し、7点差に迫られた。苦しい時間帯には夏場の強化合宿を思い出した。8月上旬、ニセコで札幌山の手と3泊4日の合同合宿を行った。トレーニングと練習試合の繰り返しの日々。斉藤歩主将は「メンタル的に強くなれた。きつくなった時に、敵よりきつい顔を見せないでやろうってみんなで決めてたので、笑顔を絶対忘れずやれて良かった」と、鋼の精神力で頂点に輝いた。
負傷中の山田「絶対間に合わせて、花園でみんなとプレーしたい」
リハビリ中の山田は背番号21でベンチ入りも、右足の装具はまだ生々しい。「けがして出られなかったけど、遠軽のメンバーが花園を勝ち取ってくれたので、絶対間に合わせて、花園でみんなとプレーしたい」と驚異の回復でピッチに立つことを目指す。
お正月を花園で迎えるために基礎から徹底
年末の本番まで3カ月弱。指揮官は「後半、全然走れていなかった部分と、基礎基本をもう一回、しっかり確認していきたい。フィジカルもそうだし、フィットネスもそう。目標はまず1勝」。斉藤歩主将も「花園で北海道勢はけっこう正月を越せていないので、自分たちは正月を越すイメージで全力で戦いたい」。15年出場時に続き、初戦突破を目標に準備を続けて行く。