北海 夏春連続甲子園へ執念 札幌日大高に0-5から逆転勝利!【秋季大会札幌支部】
■秋季全道高校野球札幌支部(10月3日、札幌円山)
▽Bブロック2回戦 北海6-5札幌日大高
甲子園を知る女房役・大石が3安打4打点
聖地を経験した扇の要が逆境で輝いた。2年生ながら夏の甲子園で正捕手を務めた大石広那(こうだ)捕手が、札幌日大高戦で2本の適時三塁打を放つなど3安打4打点を記録し、チームを逆転勝利に導いた。支部予選2回戦での強豪との戦いに苦戦を強いられたが、支部決勝に駒を進めた。札幌白石との代表決定戦に向け大石は「こういう厳しい試合の後が一番大事。必ず勝って全道に行きたい」と意気込んだ。
七回、走者一掃の三塁打で反撃開始
経験豊富な女房役が支部敗退の危機を救った。六回終了時で0-5と大きなビハインドを背負っていたが、大石は「後半に勝負ができると思っていたので焦りを感じずに試合ができました」と冷静だった。そして迎えた七回1死満塁。カウント2-1から甘く入ってきた直球を振り抜くと、打球は左中間を破り走者一掃の適時三塁打となった。ビハインドを一気に2点差まで縮め反撃ムードを作り上げると、最後にも見せ場が巡ってきた。
九回、同点とする三塁打&決勝ホーム
1点を追う九回無死一塁。犠打が考えられる場面だったが、7番の大石から打順が下がっていくこともあり、平川敦監督(52)は勝負を懸けた。「後半の勢い、流れを考えて勝負。ダメならしょうがない」とバスターのサインを送ると、大石も期待に応えた。犠打の構えからバットを引いてボール気味の高めの直球を振り抜く。打球は右翼線に落ちる2打席連続の適時三塁打となり、試合を振り出しに戻した。最後は1番・片岡誠亮外野手(2年)の中前適時打で大石が決勝のホームを踏んだ。
神村学園に敗れた夜、宿舎で「新チームへ切り替え」と決意
前チームでレギュラーを務めた大石や片岡、幌村魅影遊撃手(2年)、宮下温人外野手(2年)など甲子園メンバーが数多く残ったが、指揮官は甲子園敗退後すぐに動いた。神村学園(鹿児島)に敗れた夜、宿舎でベンチ入りした2年生7人とミーティングを開いた。A4用紙3枚に甲子園期間中に感じたことを書かせた。大石は「新チームへ切り替えないといけない」と気持ちを新たにした。
「僕らが変わらないと、全道も神宮もセンバツも行けない」
これまでは岡田彗斗、熊谷陽輝、長内陽大などの投手陣がけん引してくれたが、次は自分たちが引っ張る番となる。「ずっと引っ張ってもらっていたので、ピッチャーと切磋琢磨して成長していきたい」。女房役としてチームを支える覚悟を口にした。「僕らが変わらないと、全道も神宮もセンバツも行けないと思うので、自分らが本気で変わらないといけない」。夏秋制覇の難しいミッションをチーム一丸で達成する。