高校野球
2023/10/04 19:00

札幌創成 戸出体制初の全道に王手! 1年生・鈴木廉生が3安打3打点【秋季大会札幌支部】

六回2死二、三塁から右前適時打を放つ札幌創成の鈴木廉(撮影・十島功)

■秋季全道高校野球札幌支部(10月4日、札幌円山)
▽Cブロック2回戦 札幌創成8-3札幌光星

 1年生の中軸が試合を決めた。札幌創成の3番・鈴木廉生三塁手(1年)が札幌光星戦で決勝打を含む3安打3打点をマークし、チームを代表決定戦に導いた。エースの岩城悠雅投手(2年)が八回途中3失点、4番の花咲怜真外野手(2年)も4安打3打点を記録するなど投打ががっちりかみ合い、全道進出へ王手を掛けた。

三回、右前へ先制打、六、八回にも追加点

 1年生らしからぬ堂々とした打撃を披露した。0-0で迎えた三回1死一、三塁。鈴木廉が右前にはじき返し先制点を生み出すと、六、八回にも適時打を放ち、クリーンアップとしてこれ以上ない働きを見せた。1年生で唯一のスタメン出場。「1年生1人しか出てない中で先輩たちがみんな優しいので、何とか食らいついていったらヒットになったので、すごく良かったです」と安堵の表情を見せた。札幌光星の最後の打者が中飛に倒れると、鈴木廉は大きな雄叫びを上げて右拳を握った。
 

三回1死一、三塁から決勝点となる先制の右前適時打を放った札幌創成の鈴木廉

 

軟式野球から硬式へ即対応

 札幌新琴似中の軟式野球部出身だが、硬式に難なく対応しており今夏も中軸の5番を任されていた。敗戦した札幌第一との代表決定戦では3安打2打点を記録し非凡な能力を示した。「1年生なので頑張って迷惑を掛けないように、チャンスで回ってきたら『俺が決めてやる』って気持ちでやってます」。戸出直輝監督(47)も「夏でもフェンス直撃(安打)とかを打っている。1年生でも思い切りがいいので、楽しみな選手ですね」と目を細める活躍ぶりだ。

カブス鈴木誠也が憧れ「チャンスに強い」

 憧れの選手は米大リーグ・カブスで活躍する鈴木誠也外野手(29)。「日本代表でも4番を打っていてチャンスに強い。メンタル的にも技術的にも強い選手」。同じ右打者、打撃フォームの面でもテークバックの際の足の上げ方を参考にしているそう。戸出監督の助言もあり、下半身でタメを作れるようになった。先制打で低めの球に食らいつけたのは半身の粘りによる賜物だ。

健大高崎、海星とも練習試合

 次戦は北星大付との代表決定戦。昨年の秋季大会終了後から監督に就いた戸出監督にとっては就任後初の全道進出が懸かっている。新チームになってから50試合ほどの練習試合をこなし、健大高崎(群馬)や海星(三重)など強豪校とも戦った。「いい経験ができた」と戸出監督。投手の数を増やすことにも成功し、チーム対応力は確実に増している。

「何とか自分の力で打って頑張りたい」

 大一番の一戦に向けて、鈴木廉は「先輩を全道に連れていきたい。何とか自分の力で打って頑張りたいと思います」と意気込んだ。「監督も戸出先生に代わって、練習の雰囲気も良かった」と札幌創成進学を決断した〝孝行息子〟が、全道切符をたぐり寄せる。
 

札幌光星に勝利し、雄叫びを上げる札幌創成の鈴木廉(右)

 

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