駒大苫小牧 スクイズ攻勢でライバル北海道栄に逆転勝利!【秋季大会室蘭支部】
■秋季全道高校野球室蘭支部(10月5日、苫小牧・とましんスタジアム)
▽Aブロック準決勝 駒大苫小牧4-2北海道栄
9番・茶木が2ランスクイズ成功
手堅く得点を積み重ね、ライバルに競り勝った。1-2の四回、駒大苫小牧の9番・茶木吏道外野手(2年)が2ランスクイズを決めて逆転に成功すると、続く五回にも先発した大原虎柴投手(2年)のスクイズで着実に加点した。守っては悪天候の中で無失策、エース・大槌祐希投手(2年)が復帰登板で4回無失点の好投を見せ、今夏の南北海道大会準Vの相手を退けた。
佐々木監督「サインではない」二走の小林主将の好判断を称える
迷いはなかった。1点ビハインドの四回1死二、三塁と一打同点の好機を迎えると、打席の茶木は初球からスクイズを敢行。外角低めのボール球で難易度の高い犠打となったが、膝を折り曲げながら何とか食らいつき捕手前に転がした。一塁へ転送されている間に、二走の小林航太郎主将(2年)も躊躇なく三塁を蹴り一気に生還し逆転に成功した。佐々木孝介監督(36)は「(2ランスクイズの)サインではないです。キャプテンが積極的にやってくれた」と小林主将の好走塁を称えた。
女子野球部監督の三男「思い切ってやれ」の期待に応えた
スクイズを決めた茶木も自分の役割をしっかりと認識している。「自分の仕事はバントとかで送って上位につなげること。勝つために上位に回すことが一番大事」と、チームの勝利を最優先に自らの欲を〝排除〟した。打線の歯車となるために、日頃の練習から犠打練習に時間を費やす。多いときでは打撃練習を全て犠打に費やすこともあるそう。同高女子野球部の茶木圭介監督(45)の三男。この日の試合前には「緊張することなく思い切ってやれ」と言葉を掛けられ、その期待に応えてみせた。
大会前の犠打講座の効果てきめん
全4得点のうち3得点をスクイズで挙げた。大会前に開いた〝犠打講座〟の効果はてきめんだった。駒大苫小牧OBの加賀美亮氏、佐々木監督の駒大時代の1学年上の先輩、榊原浩司氏の2人を招いた。加賀美氏は右打者、榊原氏は左打者を指導した。「外角と内角のバットの角度や出し方を教えてもらって、すごくボールが見やすくなりました」(茶木)。確実性が増した実感を口にする。
エース大槌が復活登板4回無失点
2点リードの六回には背番号1の大槌が登板。負傷で戦列を離れていたことから試合での登板は約1カ月ぶりだったが、直球は140キロ超を記録する力強さがあった。久しぶりの登板で5四死球。そのうち4個が死球と荒れたこともあり、佐々木監督は「相手に申し訳ないことをした」と謝罪した上で、「もっとスピードは出る」と上積みを確信している。夏は南北海道大会ベスト4で敗退。リベンジを期す秋、まずは鵡川との代表決定戦に挑む。