冬季スポーツ
2023/10/30 18:00

野球とスケルトンの二刀流 東海大札幌の川野隼が26年冬季五輪出場狙う

野球を続けながら、スケルトンで五輪出場を目指している川野(提供写真)

8月のプッシュスケルトン大会で2位

 ソリにうつぶせになり氷上を時速130キロオーバーで滑走するスケルトンで、札幌学生野球連盟1部、東海大札幌の川野隼外野手(4年)が2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を目指している。23年8月、2度目の出場となった全日本プッシュスケルトン選手権(長野)で30メートル3秒69の走力を生かして2位。今後は日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟の育成選手として日本代表選出を目指し、さらに卒業後も野球を続けながら競技とデュアルキャリアの実現を目指していく。

「個人競技が向いてるタイプと思った」

 夏と冬、異色の二刀流だ。9月に大学最後のリーグ戦が終了。「野球は相手もいるんで自分だけじゃ結果は出せないけど、スケルトンって自分との戦いなので個人競技が向いてるタイプと思った」。連盟が国の委託で行うスケルトン以外のソリ競技を継続しながら双方の競技力を伸ばし、エリートフェーズまで育成・強化していくシステムを構築する事業を行う。その対象者として遠征費などの支援を受けながら、12月の海外初遠征へ向け準備を進める。

一昨年冬、「J-STARプロジェクト」の体力測定に参加

 大学2年の冬。父に勧められ、日本スポーツ振興センター(JSC)が全国で行ったトップアスリートを発掘する「J-STARプロジェクト」の体力測定に参加。立ち幅跳び、30メートルダッシュ、長座からのハンドボール投げにチャレンジした。体育館で行われたが、ハンドボール投げでは準備された距離をオーバーして壁まで到達、「計測不能」でアピールに成功した。

何度かの審査でスケルトン適性と判断

 川野に示された適性はスケルトン。動画での審査を何度かパスすると、大学3年の22年5月に長野五輪で使用されたソリコース「スパイラル」施設内にあるトレーニングコースで車輪のついたソリに初めて乗り込んだ。「タータンコースがすごい怖くて、下りでは野球の走り方だとソリに追いつかなくて転びそうになりながらで怖いと感じたけど、乗った後は楽しかった」。最終的に全国から集まった多数の参加者の中から、川野ともう1人がプロジェクト検証の選手に生き残った。

昨年11月、オーストリアで初めて氷上コース体験

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