夏の全道王者・旭川実業高 プレミアリーグでの戦い糧に5年ぶり全国切符つかみ取る 21日から全国高校サッカー選手権北海道予選
夏の総体道予選3連覇も、選手権は18年度以来全国ならず
全国高校サッカー選手権の北海道大会が今月21日に苫小牧市で開幕する。今夏のインターハイ北海道予選で3連覇を達成した旭川実業高だが、選手権は2018年度以来優勝から遠ざかっている。今年11年ぶりに高円宮杯プレミアリーグEASTに参戦し、全国の強豪と戦ってきた経験値を武器に〝2冠〟を達成し、5年ぶり8回目となる全国切符をつかみ取ってみせる。
インターハイでは16強入り
今季の全国大会における旭実の実績は道内他校の追随を許さないものだ。地元開催に伴い北海道から3校が出場したインターハイ全国大会で、過去に多くのJリーガーを輩出している強豪・帝京長岡高(新潟)に3-2で勝利し、道勢で唯一ベスト16進出を果たした。
プレミアリーグで現在3勝
何と言ってもプレミアリーグでの奮闘ぶりが光っている。前回参入した12年は1分17敗で1勝もできず降格したが、11年ぶりに参戦した今季は開幕戦で横浜Mユースに2-0で勝利し悲願の初勝利を達成すると、ここまで3勝をマーク。10月1日現在で17試合を終え3勝1分13敗とEASTの最下位ではあるものの、プレミア残留を現実的な目標に据えて戦うことができている。
庄子主将「プレミアで1年間戦ってこれたのはすごいプラス」
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年間を通じて全国の強豪チームと戦ってきた中で、選手たちにも全国レベルの意識が植え付けられていった。主将のDF庄子羽流(はる、3年)が「北海道だとミスがあっても結構失点まで結びつかない部分があるけど、プレミアだとワンチャンスをものにされたりプレッシャーの速さであったり、質とか強度の部分が全然違うので、プレミアリーグの舞台で1年間戦ってこれたのは自分たちにとってすごいプラスだと思います」と成果を口にすれば、背番号10を背負いプレミアリーグでチーム最多の3得点を挙げているFW和嶋陽佳(はるか、3年)は「他チームのFWのレベルが違って、3得点じゃ全然自信にはつながらないです。自分は技術が無いので泥臭く点を取っていかないといけないと思っています」と、慢心することなく自分自身と向き合い己の武器に磨きをかける。
富居監督「しっかり取っていきたい」
昨年の道大会では準々決勝で北海と対戦し、前後半80分では1-1と決着が付かずPK戦の末敗退。勝利した北海はそのまま決勝まで駆け上って連覇を達成するなど明暗がくっきり分かれる形となった。その前の2年間も共に準優勝とあと一歩で涙をのみ続けている旭実にとって、今年こそは絶対に譲れないタイトルだ。チームを率いる富居徹雄監督(51)が「(16年度から18年度に)3連覇して、そこから負けているんですよね。なので、しっかり取っていきたいと思います」と5年ぶりの王座奪回へ意欲を燃やすと、庄子主将も「チームとしては全国ベスト4以上を目標にして日々努力しているので、それを達成できるように。この3年生での選手権を目標にずっと頑張ってきたので、プレミアとかで積み重ねてきた経験を生かして絶対に優勝したいです」と強い意気込みを見せる。
決勝戦は初の札幌ドーム開催
大会史上初めて決勝戦が札幌ドームで実施される今回、庄子主将も「小さい頃からコンサドーレの試合を見たりしてきて、ああいうところで試合をさせてもらえる機会はなかなか無いと思うので、一戦一戦戦ってあそこで勝利できればいいなと思います」と、憧れのピッチでの戦いを見据えている。夏の覇者が札幌ドーム決戦で2冠を達成し、真の北海道王者として全国の舞台へ乗り込もうとしている。