金村と根本が、鎌ケ谷で今季の成績を比べ合っていた。大卒ルーキーの前者は４試合に登板し、２５回を投げて２勝１敗、防御率１・８０、２３奪三振、５四死球。高卒３年目の後者は５試合に登板し、同じく２５回を投げて３勝１敗、防御率２・８８、２３奪三振、１７四死球だった。

　先手を取ったのは金村だ。「防御率と四死球を見てください。あと、根本はＱＳ（クオリティスタート、６回以上で自責点３以内）１回。僕は４回。余裕で勝っています」と力説した。根本も、黙ってはいない。「フォアボール５個はすごいです」とライバルをたたえつつも、「勝ち星は勝っている。たぶん被打率も自分の方が低い」と対抗した。しかし、先輩に「勝ち星は運もあるから。あと被打率が低くても、フォアボールが多すぎたら意味ない」とバッサリ切り捨てられた。

　終始、押され気味だった根本だが、最後に〝宝刀〟を抜いた。「金村さん、何歳ですか？」。金村が２学年上なことは当然、知っている。「僕、まだハタチなので」と勝ち誇った笑みを浮かべていた。

　白熱したバトルの中で、２人の意見が一致したものが一つあった。「どっちも、レベルが低すぎる」。来年はタイトルレースに食い込むような、高いレベルでの争いになることを期待したい。