札幌DF西野奨太 馬場晴也のアジア銀から受けた刺激を力に、今季リーグ戦初出場目指す
■10月8日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は8日、フルコートの約3分の2のスペースで15分×4の紅白戦を実施した。紅白戦では攻守にわたって見せ場をつくっていたDF西野奨太(19)。MF駒井善成(31)とのトレーニングやプライベートでも仲の良いDF馬場晴也(21)のアジア大会での奮闘から受けた刺激を力に変え、残り5試合でリーグ戦今季初出場を目指す。
「自分的にも思ったより体の状態がいい」
紅白戦の3本目だった。右サイドの高い位置でボールを持った西野が選択したのはスルーパス。相手守備網を縫うように転がったグラウンダーのパスがゴール前の味方FWに渡りゴールが生まれた。「自分的にも思ったより体の状態がいいです。3カ月離脱していたけど、そんなに離脱期間(のブランク)を感じないような状態。リハビリが実って良かったです」。6月18日のルヴァン杯ホーム磐田戦で肉離れを負った左足ハムストリングは万全の状態。この日の紅白戦では本職の守備だけではなく攻撃面でも好パフォーマンスを披露し、コンディションの良さをのぞかせた。
全体練習後の追い込み練に協力する駒井に感謝
負傷が癒えたことで、自身のさらなるレベルアップのために一層鍛錬を積むことができるようになった。オフ明けとなった6日から、技術と強度の向上を目的に全体練習終了後に鳥かご方式での複数人でのパス練習を開始。協力してくれているのは筋力トレーニングの指南も受けている駒井だ。「普段試合に出ている人たちとあまり出ていない選手を比べると、やっぱり強度が足りていないので。駒井さんはずっと試合に出ている中で僕たちに付き合ってくれているので本当にありがたいです。今日も紅白戦をやってきつかったけど、最後の追い込みのような感じでやって足りない強度の部分を補わせてくれるので、誘ってくれてすごくうれしいです」。この日は駒井と西野、MF深井一希(28)、FW大森真吾(22)の4人で約20分間にわたって行い、紅白戦で疲れている体にさらにムチを打っていた。
日本代表主将・馬場の姿が「本当に格好良いな」
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前日7日には、チームメートの馬場が参加しているアジア大会の決勝戦が行われた。TVでその模様を見ていた西野は「日本を背負って戦う覚悟とキャプテンの責任感と。気持ちが表れたプレーだったり、振る舞い、コメントだったりとかも含めて、いろんなところでバビー(※馬場の愛称)が本当に格好良いなと思いました。プレーも落ち着いていましたし、うまいなと思うシーンもありましたし」と奮闘を称える。
ヒゲをそった顔「僕はあまり好きじゃない」
だが一つだけ不満に思っていることがある。「ヒゲをそったところだけは、僕はあまり好きじゃないですね。それはちょっと(ヒゲが)あった方が良かったかなと思いますけど」とトレードマークをそり落としたことに言及した。「自撮り写真が送られてきて、『ヒゲそりました』って(笑)。(そる前まで)渋い系だったのが、なんか美形になっていて。あまり良くない(笑)」。仲が良いゆえのジョーク。「心身ともに相当疲れていると思うので、しっかり癒やしてあげられれば」と、馬場の帰札を心待ちにしている。
「絶対に世代別代表に戻りたい」
西野自身は昨年6月のU-18代表トレーニングキャンプの参加以来、世代別代表の活動から遠ざかっている状況だが、馬場の活躍を見て代表復帰への決意を新たにする。「日本を背負って戦うというのは本当にすごいこと。今回は地上波でも中継していましたし、いろいろな人の目にとまるところでプレーしている姿を見たら、絶対に世代別代表に戻りたいというのはありますね。チームで結果を残せば自ずと付いてくるものだと思っているので、まずはしっかりチームのトレーニングで頑張っていきたいです」。
「残り5試合のどこかでチャンスが巡ってくる」
今季はカップ戦で計6試合に出場しているものの、リーグ戦では5試合にベンチ入りしながら未だ出場無し。残り5試合で2021年11月27日のホーム柏戦以来のリーグ戦出場を目指す。「ベンチ入りだけして出られない状態が続いているので、どこかで少しでも出られたら。しっかりとケガをせずに続けていたら残り5試合のどこかでチャンスが巡ってくるシーンはあると思うので、そこに向けて状態を上げながらアピールを続けていきたいです」。札幌の未来を担うアカデミー育ちのCBが、チームメートの活躍を刺激に定位置奪取を成し遂げてみせる。