国体29年ぶり優勝へ 北海が夏準Vの仙台育英と対戦
決勝は中止のため、準決勝2試合が優勝決定戦
29年ぶりに国体4強入りした北海が、10月11日の準決勝で3度目の〝優勝〟をかけて、夏の甲子園準優勝の仙台育英と対戦する。雨天順延の影響で決勝は中止となり、準決勝2試合の勝者が同時優勝となる。9日の1回戦・神村学園戦を4-1で勝利し、甲子園で敗れたリベンジを果たした。主将としてチームを率いてきた今北孝晟二塁手(3年)が、高校最後の戦いへ意気込みを語った。
強行出場の今北主将が攻守でけん引
リベンジは伝統の守備で成し遂げた。脱臼癖のある左肩の手術を延期して強行出場した今北主将。四回には一、二塁間の難しい打球をしっかり捌き、広い守備範囲で公式戦初出場の藤本竣太右翼手(3年)への飛球までカバー。最後は九回2死一塁から頭上に高々と上がったウイニングボールをキャッチした。甲子園での対戦では初回に失策から4失点。これが最後まで響いたが、この日は無失策。「きょうは熊谷や長内、岡田がピンチで三振を取ってくれて四球も少なかった。自分たちらしい守り勝つ勝ち方ができた」と1回戦後に話していた。
秋季大会出場組不在で、3年生で上位打線編成
甲子園でスタメンを務めた2年生が秋季大会出場のため不在。打線の非力さは否めなかったが、好打者に多くの打席が回ってくるように打順を組んだ。1番は甲子園2回戦から4番を務めた今北、2番は夏のラッキーボーイで国体で番号9をゲットした小保内貴堂中堅手(3年)、3番は甲子園で豪快な一発をかっ飛ばした熊谷陽輝(3年)と並べた。
しかし、四回までは神村学園の先発・松永優斗投手(3年)の前に無安打。「甲子園の時よりもボールがきていた。制球も良く、変化球でもカウントを取ってきて、そこに苦労した」。三振は0だったが、凡打の山を重ねていった。
6安打で4点奪い、神村学園に夏のリベンジ
攻略の兆しが見え始めたのは五回2死から、9番・谷亮汰遊撃手(3年)が中前にチーム初安打、続く今北が右翼線に落とす連続安打で2死一、二塁の好機を演出。甲子園の対戦では4番を担うも3打数無安打だった今北。得点にはつながらなかったが、打線に勢いをもたらした。全体の安打数は神村学園より少ない6本だったが、4点を奪った。「ヒットは少ないが、ここぞで一本が出た。3年間やってきたことを出せた」と胸を張った。
「最後の試合。勝って終わりたい」
11日に予定されている準決勝は、甲子園を制覇した慶応をコールドで打ち崩した仙台育英が相手。「対戦できるのはうれしい。最後の試合になるので悔いなく戦いたい。勝って終わりたい」。好きな言葉は「挑戦なくして成功なし」。個性派軍団をまとめ上げた主将が3年間の集大成の舞台にいざ立ち向かう。