場違いな悲鳴、おえつが聞こえてきた。フェニックス・リーグが行われている宮崎のひむかスタジアム。韓国選抜との試合前、一塁側でアップしていた選手たちが大騒ぎしていた。

　現在、宮崎ではテレビのニュースで報じられるほど、カメムシが大量発生している。刺激を与えると、悪臭の元となる分泌液を出す。スタンドの階段や手すりでも見かけたが、球団スタッフによると、グラウンド内の被害が深刻で、歩いているだけで踏んでしまいそうになったという。

　ひときわ、大きな叫び声を発していたのは山田だった。上着の首元にカメムシが付着。どうやら払いのけた際、手に臭いが染み付いたよう。「くさい、ヤバイ、もう無理」とパニック状態。自らの惨状を理解してほしかったのか、嫌がるチームメートに接近する。臭いをかがされた矢沢は「オエー」と苦悶（くもん）の表情を浮かべ、郡は「くさっ」と拒絶していた。

　多くの仲間を道連れにしようとした山田。同じく、におうことを強要された奈良間は「カメムシ先輩！」と切り返し、抵抗の意思を示した。１軍では経験できない南国の地方球場ならではの格闘。見ているこちらは、楽しませてもらいました。