斎藤友貴哉 右膝の靱帯断裂から8カ月の現状 「治すこと」から「慣らすこと」へ
鎌ケ谷の2軍施設で秋季練習 目指すは勝ちパターン
右膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがから復活を目指している日本ハムの斎藤友貴哉投手(28)が11日、千葉・鎌ケ谷で秋季練習を行い、来季の〝勝利の方程式入り〟を目標に掲げた。
11月の秋季キャンプから本格的な投球を再開し、来年2月の春季キャンプから実戦でも登板していく予定。「やっぱり、リリーフで後ろの方を投げたい気持ちがあるので、それを思いながら練習していきたい」と意気込んだ。
順調な回復ぶりを披露 秋晴れに「気分的にもいい感じかな」
患部の回復は順調で、この日は青空の下、外野の芝生に立ち、楽しそうにキャッチボールを行った。「出力がだいぶ上がってきたので、MAXではまだ投げないですけど、けがをする前のパフォーマンスに近づけてはいるかなと思います」と手応えをつかんでいる。
夏場までは蒸し暑い室内練習場で地道なリハビリメニューをこなしてきただけに「涼しくなってきていますし、体も足も問題なく動けるようになってきているので、気分的にもいい感じかな」と笑みがこぼれた。
今春のキャンプ初日に負傷
昨オフに阪神からトレードで加入し、昨年11月に行われた侍ジャパンとの強化試合では最速159キロを計測。新庄監督も大きな期待を寄せていた。しかし、今年2月の春季キャンプ初日、紅白戦に登板し、投じた初球だった。156キロの剛速球を支えた右膝が悲鳴を上げ、靱帯断裂。長いリハビリ生活に突入した。
覚悟の1年 来季を見据えた2023年シーズン
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当初は歩行すら満足にできなかったが、できることを探して1歩ずつ前進を続けてきた。「上半身を鍛えるのもそうですけど、体幹を含め、自重トレーニングであったり、やれることは増えましたね。食べ物も、どうしても脂肪が付きやすいので、脂とかを気にして体重を増やさないように意識していました。今シーズンは厳しいことは分かっていたので、気持ちの上がり下がりはあんまりなかったです。来年に向けて、まず足を治すことが大事だと思っていましたし、足が良くなっていくのも自分では分かっていました」と、困難にも前向きに立ち向かってきた。
地味で過酷なリハビリ生活 心の支えは愛する家族
リハビリ中の数少ない「良かったこと」は、家で過ごせる時間が増えたこと。5歳になった息子は「自分にべったりです」と、すっかりパパっ子になっているという。愛する家族の存在が、地味でハードな日々を乗り越える大きなモチベーションの一つだった。
恐怖心を取り除き、徐々に本格投球へ
今オフは徐々に、「治すこと」から「慣らすこと」へとシフトチェンジしていくつもりだ。
「今、芝でしか投げていないんですけど、土は硬いのでまだ怖さがある。けがをする前はその感覚はあんまりなかったんですけど、けがをしてから敏感になってしまった。芝のキャッチボールから土、傾斜って段階を踏んでいくと思うんですけど、土がまだ怖い。そこの考え、頭の不安をどんどん取り除いて、慣らしていくことが大事かなと思います」。まずは恐怖心との戦いに勝ち、来季の勝ちパターン争いに殴り込む。