二刀流の矢沢がフェニックスLで右翼へ豪快弾 クレバーに打撃強化 5ミリの意味は
■みやざきフェニックス・リーグ 韓国選抜4ー4日本ハム(10月11日、ひなたひむかスタジアム)
「9番・DH」でフル出場 五回にチーム1号
日本ハムの矢沢宏太投手兼外野手(23)が11日、みやざきフェニックス・リーグの韓国選抜戦にDHで出場し、五回にチーム1号のソロ本塁打を放った。二刀流は継続するが、この秋、主眼を置くのは野手としてのレベルアップ。自らの課題、強化ポイントはすでに洗い出している。創意工夫を怠らず、主力になるためのハードルを乗り越えていく。
フルカウントから直球を捉えた
五回1死の第2打席。データのない韓国選抜の投手を初見で攻略した。フルカウントから、8球目の直球を豪快に振り抜いた。伸びた打球は右翼スタンドに着弾。「全く(特徴が)分からない投手。強いスイングで長打を打ちたいと考えていた」と前置きし「感触的にはそんなに良くなかったですけど、風も吹いていましたし、フェンスも近かったのでラッキーという感じです」と素直に喜びを表した。
今リーグのテーマは打撃強化 目標数字も明言
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投手としては1クールに1回程度、ブルペンに入る予定だが、フェニックス・リーグ期間中は野手のトレーニング、実戦がメインになる。思い切りの良さに加え、確実性を身に付けるつもりで「打率3割、ホームラン2本が数字的な目標。そこをクリアしたい」と意気込む。
けがもあって不完全燃焼 二刀流で挑んだプロ1年目
ルーキーイヤーの1軍成績は、打率・177、1本塁打、4打点。本領を発揮できないまま、不完全燃焼に終わった。ただ、データに基づき、客観的に分析する能力を持ち合わせている。改善点として、淡泊になりがちな打撃内容を挙げ「カウント優位の時は割といいバッティングができるんですけど、追い込まれたりしたら全然ダメ」と自認する。
パワーアップへバットを変更
2軍で過ごしたシーズン最終盤、バットの変更を決断していた。従来よりも5ミリ長いものを採用。当然、長い方が扱いが難しく、パワーが必要になる。「今は(スイングの)力を付けるために、少し長いバットにしています。使い続けることで力も付いて、バットの扱い方も良くなるのかなと思っています」
連戦をこなし、疲労が蓄積した状態でも、フルスイングできるように、今から準備する。新バットを苦もなく操れるようになった時、ワンランク上のパワーと技術が備わっているはず。将来をにらみ、論理的に合理的に取り組む姿勢は、二刀流の実践にも必ず生きてくる。