東農大北海道が神宮王手! エース石澤が六回途中1失点 3番江川が本塁打含む3安打4打点【大学野球代表決定戦】
■明治神宮野球大会北海道地区代表決定戦(12日、札幌円山)
▽1日目1回戦 東農大北海道6-2北海学園大
エースとしての役割を全うした。東農大北海道の先発・石澤大和投手(4年、網走南ヶ丘)が北海学園大を5回⅓を1失点に抑える好投を見せた。決勝打を放った3番の江川輝琉亜(きるあ、3年、熊本工業)が本塁打を含む3安打4打点と大当たり。エースと中軸の活躍で東農大北海道が勝利し、北海道地区代表に王手を掛けた。
苦しみながら5回⅓を1失点
苦しみながらも試合の主導権は相手に渡さなかった。二回は1死一、二塁、三回は1死一、二塁、四回は1死満塁と立ち上がりからピンチの連続だった。しかし、いずれも得点は許さず均衡していた流れを徐々にたぐり寄せた。打線も三回に江川の中前適時打で先制すると、六回には2点を追加。石澤は六回1死二塁から左越え二塁打で失点し、後続にマウンドを譲った。リリーフ陣も反撃を1点にしのぎ、大事な初戦を取ることに成功した。
「この大学で(粘り強い投球を)磨いてきた」
2勝先取の超短期決戦。メンタルコントロールが難しい中で粘りの投球を見せることができた。「とにかく粘ろうと思ってました。最初は良かったけど、気持ち的に高ぶってしまった部分もあって制球がちょっとうまくいかなかった」と反省の弁。それでも4年間で磨き上げた粘り強さが随所に光る投球だった。「この大学で自分はそういうところを磨いてきた。とにかく粘る。ピンチでも落ち着いて絶対に抑える。みんなの気持ちを背負ってやっていた」と、エースの強い気持ちがチームにいい流れをもたらした。三垣勝巳監督(43)も「五回までゼロで行ってくれた」と合格点を与えた。
日本ハム、巨人のスカウトが熱視線
9月11日にプロ志望届を提出。10月26日のドラフト会議も近づいてきた。この日は日本ハム、巨人のスカウトがバックネット裏から見守っていた。「レベルの高い人たちが集まっている。そこに入れるように必死さ、若さを出してやっていきたい」と改めてプロへの思いを口にした。楽天に入団した1学年上の伊藤茉央投手(22)とは卒業後も連絡を取っており、「チームのために投げることが一番。それで自ずと結果はついてくる」とアドバイスを受けた。
春は敗戦投手「全国の借りは全国で返すしかない」
6月の全日本大学選手権では日本体育大戦に先発したが、5回3失点の敗戦投手となり、「(全国では)甘い球、少しの投げミスが許されない」と実力不足を痛感。全国の借りは全国で返すしかない。そのためにも、まずはこの代表決定戦を突破しないといけない。「連投も行ける? はい! 総力戦で2戦で決めたい」と力を込めた。4年間の集大成を見せるためにも、エース左腕が神宮の舞台に導く。
4打点の3番・江川「自分が決めてやる」
リーグ戦では不振だった3番の江川輝琉亜のバットが火を吹いた。0-0の三回1死二塁から低めのスライダーをうまく拾い中前適時打で先制点をもたらすと、3-1の七回には右翼席へ3点本塁打。江川は「決定戦こそは自分が決めてやるぞという思いで打席に入ってます。1年春から使ってくれた監督さんに向けた一打を目指していきたい」と三垣監督への〝恩返し〟を誓った。