元気印の今川優馬 けがに泣いた2023年シーズン メンタル支えた「腹を割って愚痴を言える」存在
鎌ケ谷の2軍施設で秋季練習 来季に懸ける思いは人一倍
日本ハムの今川優馬外野手(26)が12日、千葉・鎌ケ谷で秋季練習を行い、来季へ向けた〝背水の覚悟〟を明かした。「僕、来年があるか分からないですけど、本当に年齢的にもラストチャンスかもしれないので、野球人生を懸けて臨まないと。休んでいる暇はないかなって思っています」。けがに泣き、本塁打「0」で終わった2023年。巻き返しを期す思いは強い。
14日からはフェニックスL参戦
シーズン終盤に痛めた左足のかかとが快方に向かい、14日からは宮崎で開催中のフェニックス・リーグに参加する。「結果はもちろん求められるし、その中でも自分のやりたいことと両立させていきたい。今、バッティングフォームを変えている最中なので、それを試す良い状況だと思う。自分の変化を楽しみながら、目先の結果に一喜一憂しないように、成長につなげられるようにしたい」と意気込んだ。
今季25本塁打でブレークの万波と切磋琢磨
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身近に、ライバルであり手本となる男がいる。今季25本塁打を放ってブレークした万波だ。この日も、ともに打撃練習を行い、意見を交換した。
「万波にいろいろバッティングの話を聞きました。あいつもすごい勉強熱心で研究しているので、そういったところも参考にしながら、より良いバッティングをつくれるように。難しい話になるけど、今までは強い打球を飛ばすために手で操作したり、反動を使って距離を出そうとしていた。それだと、1軍のトップクラス、150㌔中盤とか後半の直球に間に合わない。結局、ストレートを打てないと1軍で通用しない。万波を見ているとバットを最初から頭の後ろに置いて、そこからしっかり下半身を回して、シンプルに振り出している。上のレベルで活躍する選手は、そこが共通していると思う。手で反動をつけて打ちにいくんじゃなくて、余計なものをそぎ落としながら、体を使って打てるように試行錯誤しています。それを目指す上で、フィジカルも必要になってくると思うので、土台となる体をしっかりつくれるように。万波も脱いだら、とんでもない。トレーニングを見ていたらすごいと思いますし、あいつに負けないように追い込みたい」
とにかく明るい今川も苦悩の日々を送った
どんな時も明るく、ファンへの丁寧な対応で人気を誇るが、「結構、ため込みやすい性格なんです」と自認している。納得のいく結果が残せなかった今季中は、人知れずストレスと戦っていた。
「考える時間が長くて嫌になっちゃいました(笑)。本当、何しているんだろうって。1軍で活躍してなんぼなんで。今年はファームにいる期間が長くて、自問自答の日々でした」
心の支えとなったトレーナーに感謝 「愚痴もたくさん言います」
支えになったのは、プロ入り後にメンタル面をサポートしてもらっているトレーナーの存在だ。「腹を割って話せる関係なので、シーズン中はすごく助かっています。ため込まずに、しっかり吐き出せる場所があるっていうのは、すごく僕にとってありがたい。愚痴もたくさん言いますよ。言えないことばっかりですけど」。ネガティブな感情はグラウンド外で上手に消化し、野球と向き合ってきた。
無休のオフを宣言 「新庄監督を胴上げしたい」
シーズンが終わった今、胸にあるモヤモヤした感情や、悔しさ、情けなさなどは「全て自分の実力不足」と受け止めている。
「まずはしっかり地力を付けること。ファイターズのレギュラーを獲るために、自分の持ち味であるホームラン、長打に磨きをかけられるように。 どうしても打率を気にして、 目先のヒットを欲しがって、だんだん小さくなって、自分の持ち味を失いかけているのをこの3年間、何度も経験したので。しっかり練習して自信があれば、小さくなることもないと思う。長打率を最低4割以上は残したい。ファイターズが優勝するためには長打力が絶対、必要になってくると思うので、来年、優勝するピースの一つになりたい。優勝して、新庄監督を胴上げしたい。その中でしっかり自分が地位を築いていきたい。まず打たないと話にならないと思うんで、打って打って、今年悔しかった思いをぶつけられるように、オフシーズンは休みなくやるしかないです」。後悔のないオフを過ごし、人生を懸けた〝ラストチャンス〟をものにしてみせる。