ファイターズ
《ハム番24時》10月13日
宮崎で行われていた練習中、北浦が持っていた水色のグラブが目に留まった。皮に金色で「ばいそん」の刺しゅうが施されている。頭の中に「?」が浮かび、本人に直接、理由を尋ねた。
「単純に僕自身、下半身がでかい。最初はみんなから『かはんしん』と呼ばれていたんですけど、急に誰かが会話の中でバイソンと言い始めて。調べてみたら、あっちも下半身がでかかった」。バイソンはウシ科の哺乳類。大型の野牛で主にアメリカやヨーロッパに生息する。どう猛なイメージがある。
偶発的に生まれた新たな愛称。さらに、グラブ製作に至った経緯を聞くと「上原さんにバイソンのグローブを目立つ色、ずばぬけた色で作ってこいと言われました」と説明した。先輩の言いつけは忠実に守る。刺しゅうだけでなく、網の部分を牛柄にするなど、こだわりを詰め込んだ。
今ではチームメートだけでなく、一部のコーチにも「バイソン」と呼ばれ、定着しつつある。強そうなネーミングは、真っ向勝負を望む北浦の投球スタイルにマッチしている。ただ、一つだけミスがあった。「僕がメーカーに伝える時、間違えて平仮名でお願いしますと言っちゃって…。ちょっとかわいい感じになっちゃっいました」。天然な一面も「ばいそん北浦」の魅力だ。