東農大北海道が連勝で神宮切符! 「人」を大事にする三垣監督の教え実る【大学野球代表決定戦】
■明治神宮野球大会北海道地区代表決定戦(13日、札幌円山)
▽2日目2回戦 東農大北海道10-6北海学園大
13安打10得点と打線爆発
「心」で神宮切符を勝ち取った。12日の第1戦で先勝した東農大北海道が勢いそのまま北海学園大に連勝し、明治神宮大会出場を決めた。この日は4番・金子隼人一塁手(4年、帝京八王子)が先制3ランを放つなど、打線が13安打10得点と爆発。技術面よりも精神面を重視する三垣勝巳監督(43)の教えが結果につながった。指揮官は「北海道代表として恥じないように」と神宮での勝利を誓った。
4番・金子が先制3ラン「風に乗った」
12日に王手を掛けた東農大北海道が、この日も幸先のいいスタートを切った。一回2死一、二塁。4番に座る金子が内角低めの直球を右翼席にたたきこんだ。カウント2-2と追い込まれていたこともあり、指2、3本分バットを短く持って捉えた一打。金子は「自分でもびっくりするぐらいできすぎかな。でもチームが勢いに乗ってくれたのなら良かったと思います。風に乗ってくれました」と笑顔を見せた。
7番・北口が決勝打「プレッシャーあった」
三回には野選が絡んで失点、続く四回にも失策が絡んで同点とされた。しかし、今の東農大北海道には流れを押し返す粘り強さがある。直後の攻撃では先頭からの連打で無死二、三塁とし、7番・北口祥夢捕手(2年、旭川実業)が左中間への2点二塁打を放ち、すぐさま勝ち越しに成功。今夏のオープン戦からから正捕手を務めている北口は「プレッシャーはあったけど、自分が堂々としてないと勝てない」と、2年生ながらチームを引っ張る気持ちで試合に臨んでいる。その後も2点追加し一気に試合の主導権を握って、そのまま勝ち切った。
「気合いと根性」がチームの強み
「『気合と根性』で打てた」と金子と北口は声を揃えた。日頃から三垣監督が口にする言葉だ。指揮官は「(チームの)強みは人です」と言い切る。「人でどうやって成長していくか。野球をやらせてもらっている感覚を持つところからスタート」と、人としての成長を最重要視する。「全力でやることを怠ることが、私にとっては(許せない)。そこをどれだけ上積みしていけるかを常に伝えている」。その教えはしっかりナインに浸透している。七回、右飛に終わった金子はそのまま全力疾走でダイヤモンドを一周。ベンチからも「ナイスダッシュ!」と言葉がかかった。金子は「自分たちのやるべき全力疾走だったりとか、自分たちの野球をすれば流れが来ると監督さんもおっしゃっていた。それを信じてやってきた」と、最上級生の中心打者として体現してみせた。
三垣監督「ここからが大事」今年こそ初戦突破を
次は全国の猛者が集う神宮が舞台となる。三垣監督は「うれしい。次も頑張りたい」と話した上で「試合としては全然納得していない。ゲームとして、うちらしくない。守備で6失点」と注文を付けた。全国大会は2季連続初戦負けを喫しているだけに「ここからが大事」と勝って兜の緒を締めた。