レバンガ北海道PG寺園脩斗が開幕3戦連続2桁得点 開幕前のアメリカ武者修行で得たもの
■Bリーグ1部第2節(14日、札幌・北海きたえーる)
レバンガ北海道95ー100名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
チーム最多の23得点をマーク
PG寺園脩斗(29)が開幕から3試合連続2桁得点と点取り屋として覚醒の兆しが見え始めている。昨季リーグ4位との今季初戦では3点シュート1本を含むチーム最多の23得点をマーク。三遠時代の20ー21シーズンに記録した23得点に並んだ。22-23シーズンは1試合平均7.4点。飛躍の要因は開幕前の7月に本場・米国での短期武者修行。さらに一昨年の得点王、Cショーン・ロングが昨季限りで移籍し、外国籍選手ばかりではなく日本選手も例年以上に得点力が必要。172センチの攻撃的司令塔がチームをけん引する。
最終盤の勝負手に寺園を指名
第4クオーター(Q)残り40秒。相手に2点シュートを決められ95-96と1点のビハインド。ここで小野寺龍太郎HC(41)は「寺園選手が非常にいいパフォーマンスをしていたのが一つ。彼にシュートを打たせたかったのも一つ」と、逆転への勝負手に寺園を指名した。ボールを持つと右サイドからドリブルでペイントエリア内に切れ込み、ゴール正面で冷静にステップバック。フリースローライン付近からジャンプショットを選択したが、リリースの瞬間に相手のSG/SF須田侑太郎(31、東海大四高出)のブロックに防がれた。「ブロックはされましたけど、僕があの時間帯ノっていましたし、他の選手に任せるより僕が打った方が絶対いいなと思った。そこは本当に責任を持って打ち切ろうと。結果的にブロックされましたけど、帰ってビデオを見てどうだったかっていうのを検証して、明日以降のプレーにつなげていきたい」と前を向いた。
日本人PGリーグ4位の得点力
寺園のプレースタイルが昨季までと比べて明らかに攻撃寄りにシフトした。開幕から3試合で48得点。1試合平均16得点は日本人PGでは首位の河村勇輝(22、横浜BC)、安藤誓哉(31、島根)、富樫勇樹(30、千葉J)に続き4番手につけている。「今年は自分が試合を決めに行かなきゃっていう気持ちがあるので、入る入らないに関わらず打ち続けることが大事」と意識の変化が得点増つながっている。
クリス・ジョンソンコーチの下で修行
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7月中旬に10日間、米カリフォルニア州ロサンゼルスに渡米。名コーチのクリス・ジョンソンや元NBA選手のダレン・コリソンの下でスキルを磨いた。「夏はプルアップのスリーポイント、ドリブルからのスリーポイントを意識的にやってきた。去年まではドライブとミドルで、相手が(ピックアンドロールで)アンダーをしてきたらスリーポイントを打つのはあまり自信がなかった。今年はアンダーしてきても、練習してきている過程があるので自信もって打つことができますし、それが今入ってるので相手的もちょっと守りづらいんじゃないかな。そこは空いたら打っていきたい」。昨季60試合中25本しか成功しなかった長距離砲が今季すでに4本成功。得点バリエーションを増やし、新たなプレースタイルを確立しつつある。
小野寺HC「フィニッシャーへいいプロセス経ている」
小野寺HCも寺園の能力を高く評価。「彼の役割はスコアリング。ゲームコントロールよりも点数を求めると話している。前節を含め、彼が昨季よりも成長しているのは、どこでシュートを打っていくのか、どういうプロセスを経てシュートを打っていくのかを理解していて、相手の弱みをつく。彼の強みであるピック&ロールからのプルアップやレイアップをいい場面で選択してくれている。日本人のスコアが伸びるのはいいことだし、彼がフィニッシャーとしてたどり着くのにいいプロセスを経ている。いいスクリーンをかけたり、自分たちのプランを徹底しているのが良いショットにつながっている」。昨季は60試合中先発出場は24試合だったが、今季はプレシーズンマッチから先発固定。期待の高さがうかがえる。
「100失点は僕たちが目指してるゴールではない」
守備では今季最多の100失点。開幕に向けてゲームのペースを意図的にコントロールして、失点を70点台に抑えるような守備を目指してきた。それだけに「いい形で入れてたんですけど、100失点っていうのは僕たちが目指してるゴールではない。今日は僕たちのバスケットボールをやるというより、相手の得意なことをさせてそれに僕たちがついていったゲーム内容だった。こういうゲームをしてたら、明日もすごいきつい展開になる。相手のリバウンド37本が勝敗を分けた。そこは明日、みんなで改善しなきゃいけない。あとは大事なところでのフリースローの確率も」。15日の第2戦では相手も対策を練ってくることが想定されるが、主将としてチームを束ね、それを上回るプレーで勝敗を五分に戻す。