レバンガ北海道・関野剛平 引退後は家業のほたて漁師に 5季ぶり復帰の道産子
■Bリーグ1部第2節(15日、札幌・北海きたえーる)
レバンガ北海道73-92名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
開幕から4戦連続スタメン
5季ぶりにレバンガ北海道に復帰した道産子SG/SF関野剛平(29)が、開幕から4戦連続でスタメン出場と存在感を示している。オホーツクの湧別町にある実家はホタテ漁を営んでおり、引退後は次男の関野が継ぐことが決まっている。現在のプレーぶりからは、まだ引退の文字は見えてこない。いまはただコートの上で暴れまくるばかりだ。
「故郷を救え」14日にクラブと湧別町が連携協定
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クラブは10月14日の名古屋D戦の前に関野の故郷・湧別町と包括連携協定を締結した。同町はサロマ湖でのホタテ漁が盛んで、稚貝から育て、2023年の水揚げ量は約3万6千トン。年間約90億円の売り上げを誇り、同町の水揚げの約8割を占めている。そのホタテ漁が今ピンチを迎えている。東京電力福島原子力発電所の処理水放出の影響で、出荷先の中国が禁輸措置を決定。生ものだけに水揚げを止めるわけにもいかず、町の倉庫には毎日揚がってくるホタテと中国から返還されてきたホタテが積み上がっているそう。
「ほたてソフト貝柱」をブースターにプレゼント
そこで名古屋D戦の前に、同町が日本で初めて開発したヒット商品の「ほたてソフト貝柱」を先着2000人にプレゼントした。関野は「レバンガ北海道と湧別が協定を結んだことでサロマ湖のホタテの知名度が上がってくれれば、もっともっと湧別町も良くなると思いますし、レバンガに来てくれたブースターの皆さまの手に僕たちが育てたホタテが届けば、僕たちもうれしい。美味しいホタテをみんなに知ってもらえる環境ができて僕もすごいうれしい」。好きなほたての食べ方は「刺し身。浜で取れたてをそのまま食べる。でも一番は、ほたてソフト貝柱。あれめっちゃ止まらないです」。PR大使としても、クラブからの支援を受けアピールしていく。
現在も毎年5月頃、漁を手伝うために帰省
ホタテ漁の朝は早い。日の出前から作業が始まる。関野も東海大札幌高に進学するまでは、両親の仕事を手伝ってきた。「全てが大変な作業ですね。力仕事だったり、細かい作業、地道な作業とかもいっぱいある。小さい粒から育てているので、入れ替え作業だったりとか大変な作業が多いです」。プロになった現在も、毎年オフの5月頃、両親の漁を手伝うために帰省する。「忙しい時期とオフがかぶるので、その時期には帰ってこいと言われます。でもプレーオフに勝ち進んでいくとちょうど(期間が)被る。ブレーオフに出ることによって、そのつらい作業が免除される(笑)。しっかりプレーオフを目指していきたい」。
15日は母校バスケットボール部の後輩たちが観戦
今節は東海大四高(現東海大札幌高)出身者が関野とPG島谷怜(23)、名古屋Dの元日本代表SG/SF須田侑太郎(31)の3人が出場。15日に同校男子バスケットボール部の佐々木睦己監督(57)や後輩たちが観戦に訪れた。「個人的に特別な時に、個人としても活躍できれば」と誓ったが、14、15日と名古屋Dに2連敗。「ディフェンスで、メーンのシューターやスコアラーに着くことが多い。そこで点数を取らせないようにしていくのが僕の一番の仕事」と次節に向けて改善を図っていく。
レバンガでやっておかないといけないことが
183センチながら、大柄な外国籍選手と対等にマッチアップする体の強さを武器に〝走る宣伝塔〟としてもコートの上で躍動する関野。引退する前にレバンガでやっておかないといけないことがある。両親を喜ばせる報告はもう少し先になりそうだ。