【コロナからの夜明け】⑩ 道産子4人組バンド・Galileo Galilei ボーカル・尾崎雄貴「ぶっ飛ばされるような音楽を作ってみたい」
新体制で全国5都市でツアー 9月には新十津川町の野外フェスにも出演
2007年に結成し、16年に活動を終了していた北海道出身の4人組ロックバンド・Galileo Galileiが、再スタートを切った。16年の活動終了発表後は、サポートメンバーを務めていたDAIKIと共に新バンド「Bird Bear Hare and Fish(現:BBHF)」で活動していたが、昨年10月に新体制でのGalileo Galileiが復活した。今年5月からは全国5都市を回るツアーを行い、9月10日には新十津川町で開催された野外フェス「SORAON 2023」にも出演。道産子バンドが本格的にリスタートした。
G.岩井が入って復活
ふと、思い立った。Galileo Galileiの活動終了後、自分たちの楽曲を聴くこともなかったというが、ボーカルの尾崎雄貴は「(もう一回)やろうかなって思った感じなんですよ」と振り返る。一つだけ条件があった。BBHFのサポートメンバーで現在はギターを担当している岩井郁人の存在だ。「岩井くんが入った状態のGalileo Galileiじゃないとやる意味がないと思っていたので、まずは岩井くんに話をした」と尾崎雄貴。声を掛け、快諾されたことで復活した。
コロナ禍も、のびのび楽曲制作
ライブ活動が本格化した2023年。5月には新型コロナの感染症法上の位置付けが「5類」になったことで、制限のないライブが戻ってきた。しかし、元々楽曲制作に注力していたこともあり、尾崎雄貴は「ライブも好きだけど、みんなでスタジオにこもってアイデアを出し合ったりと、曲を作る事もすごく楽しめるバンドなので、のびのびやっていました」とマイナスなイメージを感じていなかった。むしろ、そこに時間を費やせることはプラスだった。
制限がなくなり表情が見えるようになった
ライブの声出し解禁に関しても「僕らのライブはあんまりお客さんが声を出さない」と笑う。一番嬉しかったのはオーディエンスの表情をステージから見えるようになったことだ。「何よりも顔が見えることですね。メンバーともマスクを付けた状態で会ったりするのが全然好きじゃなかった。表情が見えていた方がいいですね」と尾崎雄貴。演奏の反応をそのまま表情で受け取ることができる―。そんな光景が戻ってきた。
心地良さを感じ取った「SORAON 2023」
地元・北海道での「SORAON 2023」では「夏空」や「青い栞」などの全7曲を披露。気温が上昇し、ステージの日差しが強かったこともあり「東京のフェスよりも暑かった」と苦笑いしたが、「子供がいるからフェスに行きたくても行けない層とか、普段フェスは行ってないけど、みんなで腕を上げて盛り上がってみたいと思っているような層がたくさんいたんじゃないかなと思います。なかなかそういうのって実現が難しくて、アーティストにとっても普段は会えないであろう人に会えるチャンス。みんなが自分のいるエリアで楽しむことができるイベントってすごく良いなって思いました」と、他の野外フェスとは違う心地良さを感じ取っていた。
「一番誇れる、めちゃくちゃおもしろいアルバムを作りたい」
描いている将来のビジョンは、至ってシンプルなものだった。「自分にとって一番誇れる、めちゃくちゃおもしろいアルバムを作りたい。自分たちが自分たちでぶっ飛ばされるような音楽を作ってみたいと思って始めたので、そこですね」。単純明快な目標に向かって、多くの人の心を揺さぶってきた。その姿勢は復活後も変わらない。
■プロフィール Galileo Galilei(がりれお・がりれい) 尾崎雄貴、ギターの岩井郁人、ベースの岡崎真輝、ドラムの尾崎和樹の北海道出身の4人からなるロックバンド。2007年に稚内市出身の尾崎雄貴と尾崎和樹を中心に結成された。10年2月ミニアルバム「ハマナスの花」でメジャーデビュー。16年10月には初めて日本武道館で公演を行い、活動終了することを発表した。22年12月、新体制で再スタートを切った。今年5月からは全国5都市のZeppを回る「Bee and The Whales Tour 2023」ツアーを開催。23年11月にも札幌、大阪、東京を回る「Galileo Galilei Tour 2023〝WINTER HARVEST〟-冬の収穫祭-」を控えている。