若き大砲・有薗直輝 フェニックスLで豪快3ラン 4番起用の新庄監督に誓う恩返し
■みやざきフェニックス・リーグ 日本ハム15ー2ソフトバンク(10月17日、生目の杜運動公園第2野球場)
五回に相手を突き放す一発 試合後は特守で泥まみれ
日本ハムの有薗直輝内野手(20)が17日、みやざきフェニックス・リーグのソフトバンク戦に出場し、五回に左翼席へ豪快3ランを放った。試合後は特守をこなし、泥まみれになってノックを受けた。
今季最終戦で新庄剛志監督(51)から4番を任され、4三振を喫した未来の大砲候補は、屈辱をバネにはい上がろうとしている。
左腕の直球を捉え今リーグ自身1号 バッティングカウントで完璧な一打
迷わず、バットを振り抜いた。五回2死一、三塁。カウント2―1から、ソフトバンク左腕の佐藤宏が投じた真ん中付近の直球をドンピシャでつかまえた。会心の一振り。「バッティングカウントだったので、タイミングを早く取り、甘い球を狙った。一発で仕留められて良かった。打った瞬間、行ったんじゃないか、という感覚はありました」と自然に笑みがこぼれた。今秋のフェニックス・リーグでは1本目のアーチだった。
今季唯一の1軍ゲーム 最終戦で5タコの4三振
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今季の1軍出場は1試合にとどまった。それが、シーズン締めくくりとなった10月5日の楽天戦(楽天モバイル)。2軍から急きょ招集され、4番で起用された。積極果敢にスイングしたが、4打席連続の空振り三振。5打席目は右飛に打ち取られた。
この夜の記憶は鮮明に残っている。「振れてはいたんですけど、始動が遅かったり、タイミングの取り方、考え方の部分で課題があったのかなと思います。すごい悔しかった」
期待を膨らませる新庄監督 「将来はジャイアンツの岡本くんのような選手に」
結果的に、格の違いを見せつけられた。ただ、新庄監督は三振、凡退を全く責めなかった。「何なら5三振しておけばいいのに」と冗談交じりに切り出し「思い切りのいいスイングをしていたし、あとはもう慣れ。慣れたら打てるような選手だし、将来はジャイアンツの岡本くんのような選手になってくれたらうれしい」と願いを込めた。
メディアを通して指揮官の発言、思いを知った有薗は深く感謝した。「期待がないと、4番という打順は打たせてもらえないと思う。求められているのは長打。しっかり1軍で打って、期待に応えたい」と恩返しを誓った。
まだまだ発展途上の20歳 伸びしろは十分
2軍で修行しながら実戦経験を積み、高卒2年目のシーズンを終えた。次の目標、照準ははっきりしている。「まずはプロ初安打。そして守備と打撃でレベルアップすること。投手のストレートが1軍と2軍で全然、違う。1軍レベルのストレートを捉えられるようにやっていきたい」。飛ばす力を備えた希少な大器は着実に歩みを進めている。