《ハム番24時》10月17日
28年のロサンゼルス五輪で、野球が2大会ぶりに復活する。開催時、28歳の万波は当然、出場に意欲十分だった。侍ジャパンの戦いで、一番印象に残っているのは2009年のWBCだという。当時、野球を始めたばかりの小学生だった少年は、日の丸を背負った侍戦士のプレーに心を奪われた。
「二転三転あって、最後に優勝だったじゃないですか。そういうストーリー含めて、すごい熱気だった。決勝は、バッティングセンターにいたんです。たぶん、お昼ぐらいだったと思うんですけど、他のレーンの人も全員かじりつくようにちっちゃいモニターで見ていて、あれは本当に記憶に残っていますね」
高卒5年目の今季、25本塁打を放ってブレークを果たしたが、実は野球を始めてから一度も、選抜チームに入ったことがないという。「地区の代表とかすらないです。少年野球でも、練馬区選抜すらないです」と笑いながら教えてくれた。
横浜高時代は規格外の長距離砲として注目を集めたが、U-18の日本代表には選ばれなかった。「チームだと(吉田)輝星、柿木、奈良間が入っていました。悔しいとかはなくて、すごいことだなと思って見ていました」と懐かしんだ。
今は、日本の野球の頂点、侍ジャパン入りが現実的な目標になった。万波が目指すのは、かつて少年だった自分が憧れたように、子どもに夢を与えられる選手だ。
「それがやっぱり一番、スポーツ選手としてうれしいことかなって思うので。ちっちゃい子が自分のユニホームを着てくれていたりするのを見たら、すごいうれしかったりするので、とにかく野球をやりたいって、子どもたちにもっと思ってもらえるようにプレーしたいなと思います」。2028年ロス五輪。日の丸を背負って世界の豪腕から特大ホームランを放ち、日本中の少年少女たちを熱狂させてほしい。