札幌第一が逃げ切り1勝 全国制覇コンビが躍動【秋季全道高校野球】
■秋季全道高校野球 第1日(10月18日、札幌ドーム)
▽1回戦 札幌第一6-5函館大柏稜
3年ぶりの初戦突破 一回に2点を先制し主導権
2年ぶりに出場の札幌第一は一回1死二塁で、3番・高橋七翔捕手(2年)の右中間を破る適時二塁打で先制すると、さらに2死満塁と攻め立て、7番・相馬大輝左翼手(2年)が右前適時打。追加点を奪って主導を握った。
2人は小学6年時に、東16丁目フリッパーズで全国優勝を経験。中学でも強豪の札幌新琴似リトルシニアで全国大会に出場するなど、ずっと一緒にプレーしてきた仲良しコンビ。次は甲子園を目指し、チームをけん引する。
女房役の責任感 先発の阿部に先制点をプレゼント
何とか先制したかった。この日、先発マウンドに上がった阿部拓貴投手(2年)は約1年ぶりの公式戦登板だった。高橋は女房役として「久しぶりなので援護したかった」。1ボールから、真ん中高めの直球を右中間へ運んだ。
「相手が良いピッチャーっていうのは分かっていたので、ストライクにどんどんバットを出してプレッシャーをかけていこうっていうことだった。バットを出せたのは良かった」と主導権を奪うことに成功した。
守っては懸命リードで2投手をけん引
阿部は六回に集中打を浴び、1年生エースの半田悠投手にマウンドを譲ったが、最後は1点差で逃げ切り勝ち。高橋は「半田も阿部も、いつもよりボールのバラつきは少なくて、まとまってる感じはあったので、その辺は、自分はやりやすいなって感じながらやってました。真っすぐが高めに浮いてしまったり、ランナーがたまった時に焦ってしまうことがないように、ところどころで声をかけ合いながらやってました」と女房役として2人を懸命にリードした。
外野手転向から間もない相馬 三回にも安打を記録
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夏まで内野手だった相馬も、高橋に負けじとバットで勝利に貢献した。2日前の公式練習で、外野守備の確認は済ませていたが、初めての札幌ドームでの試合に「緊張しました」。それでも一回に適時打を放ち「リラックスじゃないですけど、力は抜けたかな」と、続く三回の第2打席でも右前打を放った。そして後続の左越え二塁打で一気に本塁に生還した。
小学5年からチームメート 6年時には全国大会で優勝
相馬は4年生から、高橋は5年生の時に他チームから東16丁目フリッパーズに入団した。5年時には当時の6年生が、高円宮杯全日本学童大会マクドナルドトーナメントで北海道勢初の優勝を飾った
2人は試合には出ていなかったが、先輩たちの姿を見て「次は僕たちも」と決意。翌年、高橋は「1番・捕手」、相馬は「4番・左翼」と中心選手として、高野山旗全日本学童大会で北海道勢初Vを果たした。
ともに札幌新琴似シニアを経て札幌第一に進学
2人は卒業後、札幌新琴似シニアで主力として活躍。全国大会も経験した。卒業後、高橋は「甲子園を目指せる学校だから」、相馬は「部活と勉強を両立できる」と同じ進路を選択した。
目標はもちろん甲子園 3度目の全国舞台へ
目指すはもちろんセンバツ甲子園だ。高橋は「最初から上を目指せるチームではないので、まず次の1試合1試合っていうことでやっていきたい。きょう1点差で我慢できたのは良かったんですけど、記録に残るミスと、記録には残ってないミスが結構、重なった部分があった。修正したい」
相馬も「自分はつなぐ役割。きょうもバント2回。そういうところも自分に求められると思うので、その状況、状況で自分のやらなきゃいけないことをしっかり全うできれば」と浮かれる様子はない。小・中・高、3度目の全国へ向け、突き進む。