《鶴岡慎也のツルのひと声》田宮のプレーでよみがえった「勝負の秋」の記憶
■みやざきフェニックス・リーグ 日本ハム13ー0韓国選抜(10月19日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎)
持ち味を発揮した生田目 6回3安打無失点
先発の生田目が6回3安打無失点。格の違いを見せつけた。ストライクゾーンでボールを動かし、テンポ良くゴロを打たせて空振りも取る。持ち味を存分に発揮した。捕手のサインにうなずき、自分のペースを保ちながら、自信を持って投げ込んでいた。
勝負すべきは1軍 ここにいてはいけない投手
ピッチング内容は当然、素晴らしい。ただ、ハッキリ言うと、ここにいてはいけないピッチャーだ。フェニックス・リーグはアピールの場。それが大前提にある。社会人からプロ入りし、今年で5年目の28歳。この日の投球をしっかりと1軍相手に披露しなければいけない。
持っているボールは一級品。今までは「打たれたら、どうしよう」、「結果を出さなきゃいけない」と焦りが先立っていたように感じる。来年の今頃は、ここ宮崎ではない場所で、自分のペースでじっくりと調整していてほしい。
田宮にとってはこの秋が重要 今後の野球人生を左右する
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「8番・捕手」でフル出場した田宮は充実の日々を過ごしている。シーズン後半に1軍昇格し、走攻守のすべてで存在感を示した。だからこそ、この秋が大事。これからの野球人生を左右すると言っても過言ではない。
忘れられないプロ3年目の秋
私事だが、田宮のプレーを目にし、勝負どころと肝に銘じたプロ3年目を思い出した。2005年、シーズン終盤に1軍での出場機会を得た。その年の秋に参加したフェニックス・リーグは忘れられない。連日、緊張感を持ってグラウンドに立ち、その後の秋季キャンプ、年明け後の春季キャンプにつなげた。
新庄監督も評価しているはず 捕手として勝負していってもらいたい
田宮の動きを見る限り、隙を見せない意識は保たれている。安心した。もともと評価の高かった盗塁阻止能力、スピードに加え、ブロッキングやキャッチングの形も良くなってきている。今季、外野を守るなど幅を広げたが、新庄監督はキャッチャーとして評価しているはずだ。私も捕手として、今後も勝負していってほしいと願う。
明確な目標を持って臨んでいる奈良間
田宮と同様に、今シーズン飛躍を遂げた奈良間も3安打2打点と気をはいた。ボールの待ち方やスイングの軌道など、何を修正すれば、さらなる成長につながるか。明確な目標を持って臨んでいるように見える。来季への戦いはすでに始まっている。皆、収穫の多い秋にしてもらいたい。