北海8強一番乗り 夏春連続甲子園へ 新戦力9番・吉井天星が3安打4打点【秋季全道高校野球】
■秋季全道高校野球大会第2日(10月19日、札幌ドーム)
▽2回戦 北海9-0稚内大谷※七回コールドゲーム
札幌支部で初背番号、全道で5番に昇格
夏春連続甲子園を目指す北海が、新戦力の台頭で9-0で稚内大谷を七回コールドゲームで退け8強一番乗りを果たした。9番・吉井天星三塁手(1年)が、二回の先制打を含む3安打4打点と大暴れ。札幌支部での背番号16番から全道で5番に昇格。平川敦監督(52)の抜てきに見事にバットで一発回答してみせた。
「1年生だから思い切ってやろう」
夏の甲子園も下級生が主力として活躍したが、新チームでもさらに1年生が存在感を示した。なかでも吉井はチーム最多の4打点をマーク。試合前、先発マウンドの松田収司投手(1年)らと「1年生だから思い切ってうやってやろうぜって話しました」。第1打席の好機で先制点。「緊張しました。アウトコースの真っすぐ。右方向に打つことを指示されてたので変化球に対応できるようにして、真っすぐがきたので食らいついてったら良いところに飛んだ」。3本の安打は中前、右前、左前ときれいに打ち分けた。平川監督も「吉井はいいところで回ってきて、しっかり結果を残してくれた。実戦で力を出せるのが分かって良かった」と高く評価した。
支部代表決定戦で初スタメン、初安打
この秋、初めてベンチ入り。ホットコーナーの定位置争いのライバルは、夏の甲子園でもベンチ入りした櫻井悠也内野手(1年)。吉井は札幌支部初戦では代打出場だったが、川崎和哉コーチ(30)から「重心を少し投手よりにして、ゆっくりタイミングをとる」と助言を受け調子が上昇。支部代表決定戦で先発出場を勝ち取り、公式戦初安打をマークした。「今は櫻井がちょっと調子崩してる時に、たまたま自分の調子が上がってきた。これからも切磋琢磨(せっさたくま)して、お互い良い仲間として頑張りたい」とライバルの存在を刺激に名門でしのぎを削る。
守備を反省「しっかり1個のアウトを取ることが自分の売り」
バットで結果は残したが、守備では自らのミスを反省した。4-0で迎えた三回、先頭の三塁への打球をファンブルし慌てて一塁へ送球するも悪送球になり打者走者が二進した。その後、無死一、三塁までピンチが広がったが、周りがカバーし無失点で切り抜けた。「バッティングの面ではこれからも活躍できるようにしたいけど、しっかり堅実に1個のアウトを取るのが自分の売り。まだ強気のプレーとかができてないんで、もっと先輩とかを見習って頑張りたい」と成長を誓った。
「社会的にも学べる学校」と千葉県から入学
千葉県出身。中学は茨城県の江戸崎ボーイズでプレーした。「野球だけじゃなくて、社会的にも学べる学校。北海道ですごい強豪校。甲子園に行くのが目標なんで、それにはすごく良い」と親元を離れ、下宿で同期や先輩と共同生活を送る。22日の準々決勝へ「守備の面で今日は焦ってしまったので、1個ずつ落ち着いてできるようにして、平川先生、立島先生の指示とかをしっかり守って、一つでも勝利に貢献できたらいいと思ってます。次は無失策」。「天」に輝く「星」の様にキラリ輝いて見せる。