【プレーバック】秋季全道高校野球大会2回戦 とわの森5-1札幌大谷(10月20日、札幌ドーム)
とわの森が創部34年目で3季通じての道大会初勝利
とわの森が、初陣初勝利を果たした。3季通じても創部34年目で北海道大会初勝利を収めた。
とわの森の先発は、右サイドスローのエース・貞尾陽光投手(1年)。ストライクゾーンの幅を目いっぱいに使った角度のある球筋に加え、120キロ台の直球と90キロ台の変化球を駆使した緩急の効いた投球で、三回まで毎回得点圏に走者を背負いながらも決定打は許さずに試合をつくった。
すると、札幌大谷のエース・菊地大一投手(2年)の前に、三回までパーフェクトに抑えられていた打線が、四回に目覚めた。
1死から2番・竹口朝陽中堅手(2年)が左前に初安打。死球などで2死二、三塁の場面で、5番・堀内亮太左翼手(1年)が左翼手の頭上を越える先制の2点二塁打。欲しかった先制点を奪った。
さらに2点リードの七回には、2死から機動力を生かして追加点を奪った。9番・本田譲二内野手(1年)が中前打で出塁し、すかさず盗塁。続く1番・中村悠飛遊撃手(2年)の振り逃げの間に三進すると、2死一、三塁からの重盗で生還した。さらに竹口が左翼ライン内側からファウルゾーンへと逃げていく二塁打で4点目。八回にも2死三塁から、代打・佐々木涼(2年)の適時打でダメ押しの5点目をもぎ取った。
札幌大谷は、終盤の七回に1点を返したが、反撃はここまで。とわの森が、昨夏の甲子園を経験した選手も残る強豪をなぎ倒し、歴史的1勝を手にした。
■帯広農業高時代に甲子園に2度導き、昨秋からとわの森の監督を務めて全道初勝利を挙げた前田康晴監督(47)
「こんなにうまくいくとは思わなかった。貞尾はこの状況じゃあ、代えられないですよね。落ち着いてました。無駄な四死球を出さなかった。チームのこの3、4カ月の成長は、びっくりしてます」
■9回1失点で、公式戦初完投のとわの森・貞尾陽光投手(1年)
「後ろにもピッチャーがいたので、もうとにかく自分の投げる分を投げ切ろうと思いました。札幌ドームが広いんで、うまくフライを打ってくれて良かった。僕たちは甲子園を目指してるので、まだ1勝。次からも頑張っていきたい」
■先発完投も5失点した札幌大谷・菊地大一投手(2年)
「(打たれた先制打は)まっすぐが高めに浮いた。この悔しさを忘れないで、夏は甲子園で優勝できるように必死に一生懸命やりたい」