2年目右腕の北山亘基が来季へ宣言 「ファイターズのエースになる」 最終目標は意外なあのタイトル
2軍施設のある鎌ケ谷で秋季練習中
日本ハムの北山亘基投手(24)が20日、千葉・鎌ケ谷で秋季練習を行い、「来シーズン、ファイターズのエースになります」と堂々、言い切った。現在、チームの先発投手陣をけん引する加藤貴と上沢は、来季の去就が不透明。「どっちかが抜けても、その穴を埋める、それ以上の活躍ができるように準備したい」と力を込めた。
ルーキーイヤーの昨季は開幕投手 今季は6勝をマーク
本来、目標を公言するかどうかを慎重に考えるタイプ。それでもあえて言葉にしたのは、相応の覚悟があるからだ。「先発をやる以上は、そこ(チームのエース)を本気で目指さないと。特にこれだけ経験させてもらっているので、そこははっきり言いたいなと思います」
ルーキーイヤーの昨季は開幕投手を務め、主にリリーフで55試合に登板。今季はシーズン途中から先発ローテに入り、6勝を挙げた。考え、練習し、積み重ねてきたものへの自信が、来季への強い決意に表れている。
予想を上回る成長曲線 「継続して充実したシーズンを送れている」
プロ入りからの2年間は、自身の想定よりハイペースで階段を上ってきた。「自分の中で、プロに入らせていただくに当たって、2年目が終わる段階くらいには先発として、1、2試合1軍で登板したいなっていう思いがあった。その中で去年から1軍で起用していただいて、いろんな経験をさせていただいて、すごく継続して充実したシーズンを送れている。今年に関していえば、思った以上に早い段階で先発に転向させていただいた。そこは自分ですごいチャンスと捉えて、特に1戦目、(5月4日)の西武戦、ベルーナで投げた試合は、今後の野球人生が懸かっているくらいの気持ちで、全てを懸けて入って、(6回無安打無失点で白星を挙げ)いいピッチングができた」と確かな手応えがある。
課題の特定もプラス すべてを推進力に
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一方で、足りない部分もはっきりした。「(シーズン)後半にいくに当たって、ちょっとずつ失速していったというのが一つ、今年の課題。1年を通した中で、ダメな部分も見えたので、そこは良かったかなって思います。今年は去年と違う取り組みをして、去年1年間やった中で疑問に思う部分、もうちょっとこうした方が今後にちょっと発見があるんじゃないかなっていうようなところを1年間、試した。その中で、良い面も悪い面もすごい発見があったので、去年、今年を踏まえて、来年はより安定したシーズンを送れるんじゃないかなっていう気持ちです」と、改善点が見つかったこともポジティブに捉えている。
今秋のテーマは守備力強化 「めちゃくちゃ下手くそなんで」
今秋は、苦手な守備にも重点を置いて取り組むつもりだ。「僕、守備がめちゃくちゃ下手くそなんで。誰に聞いても、たぶんみんなセンスないって言うと思う。 ずっと投手で、まともに野手をやったことがなくて、それが僕の中では野球をする上でのコンプレックス。みんないろんなポジションをやって、うまくなっていますけど、僕はピッチャーしか、ほぼやってない。投げることは得意だったんですけど、バッティングとかバントとか守備とか下手くそだった。この11月のキャンプはまだどっちに行くか分からないですけど、もしエスコンだったら、守備の投内連係とかをたくさんやると言われている。沖縄に行くにしても、僕はそこ(守備)が課題なので、そこは10、11月しかできない部分ではあるので、今のうちにしっかりやって、この流れでオフシーズン、自分でもしっかり今年より、やれたらいいなと思っています」と意気込んだ。
狙うはゴールデングラブ賞!
この日は早速、加藤投手コーチから約200球、ノックを受けた。「打球の入り方が全然うまくないんですけど、途中から下手なりになんとなく分かったところがあった。それをよくよく考えると、ピッチングの動作にもすごいつながるいい発見もあったんです。よく野手が守備できたら、バッティングも良くなるみたいなことを言うと思うんですけど、なんかそれがきょうの守備の練習で、ちょっとイメージをつかめた感じはあったので、もっとしっかり継続していい反応を出せるようにしたいです」と表情は明るい。
「僕がプロに入って、ピッチャー(が獲れる賞)の中で一番遠い賞がたぶんゴールデングラブ賞だと思う。それを最終目標にして頑張りたいと思います」と、将来は守備でのタイトル獲得を夢見ている。
絞ったトレーニング法 適合したのは由伸流
オフのテーマは「シンプルに深く」。昨季は勉強を兼ねて、さまざまな練習法を取り入れたが、今年はそれを一本化する。選んだのは、オリックスのエース・山本由伸流のトレーニングだ。
「僕は、自重の中で自分の体をうまく扱うような方向性。筋肉をいっぱい付けるとかではなくて、バランス良くしなやかに、自分の体を使って投げるっていうところが、自分の持ち味というか、僕のボールの質にも関わってくると思う。僕は山本さんと同じところで、1年目からトレーニングをやっていて、いろいろなことを勉強した上で、今後はそこをメインにやっていこうかなっていう決心がついた。もちろん山本さんがすごいからっていうふうに思われがちですけど、自分の中では今までやってきたことと同じような系統のこと。その延長線上というか、もっとそれを洗練させてという方向性。他の勉強したことが、今やってる基礎のところに全部、落とし込めるっていうことが分かってきた。例えば、ウエートトレーニングで成功する選手もいますし、走り込みで成功する選手もいる。今だったら山本由伸さんみたいな、エクササイズをやり込んで成功する選手もいます。それぞれにメリットとデメリットがある。そこをうまく自分の中で落とし込んで、やり込める選手が活躍するんじゃないかなと思っています」
着実に力強く歩むエースへの道
来季、日本ハムのエースになると宣言した右腕。秋、冬でさらなる進化を遂げ、チームで最高の投手になってみせる。