《横浜M戦後》お互いが攻め合う、オープンなすばらしい戦いだった。私は非常に誇りに思う
■J1第30節 横浜M4-1札幌(10月21日、神奈川・日産スタジアム)
―試合を振り返って
1-4で敗れたというゲームの後で、本来であるならば多くを語る必要は無い。ただ今日のゲームに関しては、何点か私の方からコメントをしなければならない。
敗れはしたが、今日は非常にすばらしいゲームをしたと思っている。84分に2点目を取られるまでは、我々は相手を十分に上回れたゲームができていたというふうに思う。2点目を取られた後も、アディショナルタイムを含めて3点目、4点目を取られたが、0-1のスコアでリードされる展開の中で、札幌はしっかりと自分たちの狙いとする戦いというものを出せていた。
サッカーは非常に危険なスポーツだ。相手を上回っている戦いを見せていても、残念ながらそれが結果に結びつかないこともある。チャンスを多くつくりながら、決定機がありながらも、なかなかそれをゴールに入れることができない。反対に、例えばではあるが、今日の横浜Mの2点目の杉本選手のゴール。後で皆さんから彼に聞いてみてほしいが、おそらく狙ったような形でのシュートではなかったのではないだろうか。ただ、ゴールはゴールだ。
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ここ最近のゲームで湘南戦も0-1で敗れたが、あのゲームも我々は十分に狙いとする戦い、相手を上回れる戦いというのはできていた。名古屋との1-1のゲームも十分に自分たちの狙いとする戦いをしながら、相手を上回れるゲームはできていたと思う。柏戦も1-2で敗れたが、同じくすばらしい戦いはできていた。
今日のゲームは1-4というスコアが開いたゲームだったが、良いゲームをしながら結果が出ていないというのが今の我々の現状だと思う。もちろん良い戦いをしながらも結果が出ないという、その結果に対する責任というのは常に私、監督にある。
ただ、やはり監督として、こういう戦いを見せてくれた選手たち、チームの戦いを私は非常に誇りに思っているし、彼らは自分たちのやるべきことを全力でやってくれたと思っている。
―J1残留が持ち越しとなった
数字的には我々は降格する可能性を残している。ただ、今日のようなゲームを選手たちが見せてくれれば、残りの試合の中で残留を決められる勝利を手にすることができるのではないかと私自身は思っている。
非常に不運な部分もあった中で、ただ今日のようなゲームを続けて、そしてみんなが強い気持ちを持って戦う中で、我々に幸運が来ることも、もちろんあるのではないか。決して楽観的に考えているわけではないが、ただ自分たちはそれを必ずやらなければいけないし、やれると思っている。
札幌の25年の歴史を見れば、昇格しても1年で落ちる、そして次の5年間がJ2で、また上がってまた1年で落ちて、次の6シーズンぐらいがまたJ2で。そういった歴史を繰り返してきたクラブだが、ただ、私自身6シーズンJ1で戦っているし、その前の1年も考えれば7シーズンJ1で戦っている。北海道の皆さんの思いの中に、やはり降格したくないという気持ちがあるのではないかと思っているが、コンスタントにJ1で戦っていくことの難しさというのは年々、私自身も感じている。ただ、北海道の人たちにとって、J1で札幌が戦うことというのは非常に思いの強いことだと思うので、それを成し遂げたいと思っている。
我々の選手たちでいえば、田中駿汰は大卒でうちに入ってきた選手。岡村大八は以前はJ2の群馬でプレーしていた選手。馬場はJ2の東京Vでプレーしていた選手で、中村桐耶はユースから上がってきて、1年JFLのHondaでプレーしていたけれども、なかなかそこでも試合に出られなかった選手。浅野はJ1の広島でプレーしていたが、メンバー外になることが多かった選手。小柏も大学卒の選手。そういった選手たちがメンバーの中に多い中で、横浜Mのようなトップクラブのトッププレーヤーたちと、これだけ渡り合えるだけの頑張りを見せているということというのは、皆さんの頭の中に入れてほしいことだ。私はそういった選手たちが日々努力して成長していく中で、すばらしいプレーを見せてくれていると思っているし、それを誇りに思っている。
今日のゲームを見に来た方にとっては、お互いが攻め合う、オープンなすばらしい戦いだったと思う。我々を応援してくれた札幌のサポーターにとっては悔しい結果になってしまったけれども、見ている方々にとっては、すばらしい戦いだったのではないか。もちろん我々は負けて悔しい思いがあるし、負けてそれで良いと全く思っていないが、ただやはり、我々が見せたサッカーというのは、すばらしい内容だったと私は思っている。