ヴォレアス 初のV1で黒星スタートも光明 エース張育陞主将が両チーム最多23得点「3セット目が自信になった」
■Vリーグ男子1部 東レアローズ3-1ヴォレアス北海道(10月21日、静岡・三島市民体育館)
昨季5位の東レとプレーの細部で差も ビースト張育陞が躍動
開幕黒星も光は見えた―。今季から初めてV1に挑むヴォレアス北海道が、敵地で東レアローズとの開幕戦に臨み、1-3で敗れた。昨季5位の東レとはプレーの細部で差が付き、いきなり2セットを落とす展開だったが、今季から主将を務めるオポジットの張育陞(23)が両チーム最多の23得点を記録。エースを中心に第3セットを奪うなど、V1でも戦える要素は見せた。敵地まで駆け付けてくれたファンのためにも張育陞主将は「勝利を届けたい」とV1初勝利を誓った
昨季までV2で2年連続MVP
〝ビースト〟ぶりは国内最高峰の舞台でも変わらなかった。第2セットまで細かいミスが目立ち、なかなか攻勢に出ることができなかったが、第3セット、昨季までV2で2年連続MVPを獲得した張育陞主将が本領を発揮した。11得点を荒稼ぎし、セット奪取に大きく貢献した。試合後は「3セット目が取れたのは、私たちの自信になった」と胸を張った。
アタック決定率63.9%
2セット目からの出場だったが、両チーム最多となる23得点をマーク。アタック決定率も63.9%と上々の数字を残した。エド・クライン監督(42)も「とても良かった」と目を細める躍動ぶり。しかし、張育陞主将は「V1は強い選手が多い。まだ実力が足りない。1試合ずつ成長して、あのレベルに行けるように頑張りたい」とさらに上を見据えた。
1セットは主力外し、レセプションの良いラインアップ
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ヴォレアスにとって、初のV1挑戦。指揮官はいきなり策を講じた。昨季まで主力だった張育陞主将とセッターの山岸隼(24)をスタメンから外した。「1セット目はレセプションの良いラインアップでスタートした。東レはサーブが良いチーム。サーブで最初から崩されたくなかった」と狙いを説明した。しかし、守備を重視したことで攻撃の迫力を欠いた。アタックのミスが目立ち、第1セットはわずか13得点に終わってしまった。
3セットはアタックに特化
第2セットから張育陞主将や山岸を投入するも、このセットも16得点とスコアが伸び悩んだことで、第3セットはアウトサイドヒッターの米村恒輝(23)、ルーク・スミス(33)といった新加入コンビを起用。「アタックに特化した」(クライン監督)メンバーで東レとの打ち合いを制し、第3セットを25-23で奪った。しかし、クライン監督が「レセプションは落ちてしまう。長く見るとうまくいかない」と振り返ったように〝特効薬〟の効き目は持続せず、第4セットを16-25で奪われ、ヴォレアスのV1開幕戦は黒星スタートとなった。
クライン監督「戦えていた部分はある」
華々しい幕開けとはならなかったが、手応えは感じている。山岸は「細かいところが今の差。ブロックで1タッチが取れたり、ディフェンスは通用していた。オフェンスも細かいトスの修正ができれば通用する」。そしてクライン監督も「戦えていた部分はある。キルブロックは少なかったけど、ブロックタッチだったり、ディグも上げられていた。一番改善していかないといけないのはアタック」と22日に向けた課題を挙げた。強敵揃いのV1。攻守両面の精度を上げて、初勝利をつかみにいく。