最後の≪教えて栗山監督≫選手たちに、怖がらず思い切って野球をしてほしい
―会見場に来るまでに感じたこと
「朝起きて外に出て、エゾリスが栗を食べていて『邪魔するなよ』って、なんか目の前に飛んできたので、『悪い悪い』っていう会話をしました。いつもと変わらない日常でした」
―10年間を振り返って
「選手たちに、怖がらず思い切って野球をやってほしい。それだけだった。だからこそ絶対に選手は批判しない。大好きな野球をこの年まで全力で必死になれて、こんな幸せなことはない。優勝して喜ぶことが少なかったことは、本当にすみませんとしか言いようがない10年間です」
―印象に残っている試合は
「(2012年)開幕戦の斎藤のピッチングから始まって。2年目、負け続けてる時、拳士(杉谷)と会って『監督、元気出してくださいよ』って。あの拳士が気を使っていたのに、本当に頑張らなきゃと思った。そういう試合を挙げるとキリがない。この場では語り尽くせない」
―大谷(エンゼルス)の将来はどう見えていた
「5年間という短さで卒業させましたけど、それは球団の皆さんの思いだったし、本当に世界一の選手になる可能性があった。早く出さないと世界一にならないっていう信念はすごく持っていたつもり」
―二刀流について
「内野手、外野手とかじゃなくて、二刀流という枠をつくってくださいと球団には言おうと思っている。昔の大選手たちで、二刀流ができた人が絶対いたはず。それを見落としていたことを、僕らはもっと反省しなければいけない」
―監督を全うできたか
「11年11月11日。人生で一番緊張した日かもしれないけど、監督になってファイターズの選手全員と話をして、その時に自分ができることをいくつか決めた。それから最終戦まで、全ての試合に元気な姿でメンバー交代を告げに行けた。元気で試合に向かうっていうのは、最低限の約束事だった。あとは全てできなかった」
―清宮や吉田などの若手と会わずに退任する
「それも大事だろ。結果を出さなかったらこうなるんだっていうところは、彼らも感じていてほしい。そんな甘い世界じゃない」