札幌 リーグNO1攻撃陣に屈し4失点大敗・・・ DF田中駿汰「ここまで点差が開くような内容ではなかった」
■J1第30節 横浜M4-1札幌(10月21日、神奈川県・日産スタジアム)
超攻撃型クラブ同士の激突 4発に沈んだ札幌
52得点の横浜F・マリノスと50得点の北海道コンサドーレ札幌。J1のチーム得点ランキング1位と3位による〝矛矛対決〟は、リーグ連覇に向けて負けられない横浜Mに軍配が上がった。札幌は意地の4ゴールに屈した形となってしまった。
3バックの右CBで出場のDF田中駿汰(26)は今季チーム唯一となるリーグ戦30試合連続先発出場を果たした。試合後には「ここまで点差が開くような内容ではなかったと思いますけれど、それは言い訳に過ぎないので」と悔しさをにじませた。
序盤のチャンスを逸すると…
試合開始直後は札幌がペースを握った。前半4分にFW小柏剛(25)がわずかにゴール右へとそれてしまう惜しいシュートを放てば、同9分にはMFルーカス・フェルナンデス(29)の右サイドからのクロスにMF浅野雄也(26)が頭で合わせるなど、ボールを支配。攻勢に出る機会が多かった。
カウンターから先制点を献上
だが、先制ゴールを手にしたのは横浜Mだった。前半19分、札幌がペナルティーエリアへ進入すべく圧力をかける中、敵陣の深い位置でボールコントロールを乱した。ルーズボールをFWアンデルソン・ロペス(30)に拾われると、一気に前線に展開され、ボールを受けたFW宮市亮(30)に独走されてしまう。田中駿も必死に追いかけたが及ばず、ボール奪取からわずか10秒という電光石火のカウンターでゴールネットを揺らされてしまった。
反省しきりの田中駿 「瞬間での切り替えが少し遅れた」
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「自分も、もうちょっと後ろの状況を確認してポジションを取らないといけなかったなと思いますし、すごく速い選手なので、少しでも遅れてしまうと、ああいうふうに抜け出されてしまう。もう1秒でも早く気付いて戻ることができれば少しでも触れていたとは思うので、ちょっとのところですけれど、瞬間での切り替えというのは少し遅れてしまいました」と失点シーンへの反省を口にしていた。
終わってみれば、今季最多タイの4失点
その後は互いにチャンスをつくり合う一進一退の攻防が繰り広げられた。札幌も何度もピンチを迎えるが、GK高木駿(34)がファインセーブを連発。後半13分には右足、同29分には左足一本で1対1の場面を防ぐなど、守備への高い集中力を見せた。それでも同39分にFW杉本健勇(30)が放ったループシュート気味のダイレクトボレーが高木の頭を越えてゴールマウスに吸い込まれた。すると、ここまで耐え続けてきた守備陣が決壊。さらに前掛かりになる中で、アディショナルタイムにも2点を奪われた。終わってみれば、今季最多タイで5度目となる4失点を喫してしまった。
後半アディショナルタイムに一矢報いるゴール
0-3で迎えた同アディショナルタイム3分にはFWミラン・トゥチッチ(27)から「決めてくださいというボール」を受けた田中駿。そこから今季4点目となるゴールを右足で決めたが、「チームの結果につながっていないので、もどかしい気持ちです」と、手放しでは喜べないゴールとなってしまった。
これで4戦連続勝ちなし 必要なのは意識の共有
9月2日のG大阪戦(4〇0、札幌ドーム)でリーグ戦10試合ぶりの勝利を飾ったものの、以降の4試合で1分3敗と再びトンネルに入りつつある状況だ。
現状を打破するためにも「内容うんぬんよりもまずは結果。自分たちがやってきたことを貫くのもそうですけど、勝つために自分たちが考えてやらないと。同じことばかりやっていても勝てない状況なので、何かを変えないといけないと思いますけど、でも、やってきたベースを信じて、取り組んできたことを中心に、みんなで再確認したいです」。もう一度、チームで意識を共有し、勝利の瞬間へとたどり着いてみせる。
次節の相手は最下位の横浜FC 勝てばJ1残留決定
今節の結果次第では7年連続のJ1残留が決定する状況ではあった。決めきることができず、17位の湘南、最下位の横浜FCが共に勝利したことで、逆に下位チームに差を詰められてしまう第30節となってしまった。
次節は降格圏からの浮上を目指す横浜FCとの対戦が控えている。けが人も複数いる苦しい台所事情ではあるが、「今いる選手でやれるべきことをやることしかできないので、自分たちを信じて残り4試合。何が何でも残留しなければいけないので、まずは目の前の一試合にフォーカスして、1週間取り組んでいきたいです」と決意を新たにする。勝利すれば、自力でのJ1残留が決まる次節の戦いへ、前を向いて戦い続ける。
■札幌の次節でのJ1残留決定条件
札幌(勝ち点33)は降格圏の18位・横浜FC(同26)と直接対決。札幌が勝利して勝ち点を36まで上積みすれば、横浜FCが上回る可能性がなくなり、J1残留が決定する。引き分けまたは敗戦の場合、次節で決定することはない。