勝負の明暗分けた決定力の差 札幌MF浅野雄也が超攻撃的サッカー復活へプライド懸ける
■J1第30節 横浜M4-1札幌(10月21日、神奈川・日産スタジアム)
両者15本のシュートが飛び交う
共に攻撃的サッカーを標榜するチーム同士の対戦ということもあって、双方が15本ずつシュートを撃ち合う乱打戦が繰り広げられたが、ゴールネットを4度揺らした横浜F・マリノスに対し、北海道コンサドーレ札幌は後半アディショナルタイム3分に生まれたDF田中駿汰(26)の1得点のみ。決定力の差が勝敗を分ける形となった。
課題はフィニッシュの精度
シャドーとして先発し、途中から右WBのポジションに入ってフル出場したMF浅野雄也(26)は「攻撃の形という部分では自分たちの形は出せたけど、(課題は)最後の質のところ」と、自らを含むフィニッシュの精度の低さを反省した。
決定機が幾度と阻まれる
決定的なチャンスは何度もつくり出していた。前半29分にFW菅大輝(25)がペナルティーエリア外から放ったミドルシュートはゴールの枠内に飛んだものの、惜しくもクロスバーに阻まれた。
後半に入っても2分にMFルーカス・フェルナンデス(29)がペナルティーエリア内で仕掛けてシュートを放つが、相手GKの体を張ったブロックによって得点ならず。同9分にはFW小柏剛(25)が相手DFの股を抜く見事なドリブルを披露して放ったシュートはわずかにゴール左へと逸れていった。
GKとの1対1を外し 「練習します」
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そして浅野も同11分にビッグチャンスをつくり出す。右サイドで相手を交わして完全に抜け出すと、GKとの1対1の局面をつくり出すが、左足で放ったシュートは相手GKに触られ、得点を決めることができなかった。このシーンについては「練習します」と言葉少なに振り返った。
リーグ前半戦は8得点も 後半はわずか2得点
リーグ前半17試合を終えた時点で札幌は7勝をマークして勝ち点26だった。総得点もリーグ1位の38得点。浅野はそのうちの8得点を決めて躍進に大きく貢献していた。だが後半戦に入って急失速し、この13試合で手に入れた白星は一つのみ。積み上げた勝ち点はわずか7にとどまっている。上位進出も狙える位置にいたチームは、一転してちらつく降格圏の影を気にしなければいけない状況へと入り込んでしまっている。
「自分たちのサッカーをして勝ちきることが大事」
残り試合は4。シーズン最終盤の戦いに向けて「もちろん残留することも必要ですけど、まずは自分たち選手一人一人がチームのためにできることをやって、残留のためにじゃなくて、まずは1勝というところ、自分たちのサッカーをして勝ちきるというところが大事。もう一回取り戻さないといけないプライドのようなものがあるので、次の試合に向けて良い準備をしたい」と意気込む。後半戦の浅野の得点は2。点取り屋としてのプライドを取り戻し、次節ホームでの勝利、そしてJ1残留へと導くゴールを決めてみせる。