道東、道南の公立校対決

　準々決勝４試合で唯一の公立校対決は、初戦で全道初勝利を挙げた別海が延長十回タイブレークで知内を１点差で制し準決勝に駒を進めた。

　別海が幸先の良いスタートを切った。一回、先頭の波岡昊輝右翼手（１年）が内野安打で出塁し、犠打で1死二塁。３番・千田涼太二塁手（２年）が右翼線を抜ける二塁打を放ち先制した。

　五回まで打線が沈黙していた知内は六回に反撃に出た。先頭の１番・中村新中堅手（２年）が右中間を抜ける三塁打で好機を作り出すと、続く長谷川煌晟左翼手（２年）が１球目に失敗したスクイズを２度目はしっかり決めて同点に追い付いた。

両者譲らず延長タイブレークへ

　試合はこのまま九回まで両チーム無得点。勝負の行方は、十回無死一、二塁から始まる延長タイブレークにもつれこんだ。

別海・中道主将が無死満塁から走者一掃三塁打

　先攻の別海は５番・鎌田侑寿紀三塁手（１年）が投前安打で無死満塁。続く主将の中道航太郎捕手（２年）が左翼線へ抜ける走者一掃の三塁打で大きく勝利を引き寄せた。

知内は犠飛、犠打で１点差まで詰め寄ったが

　その裏、知内は５番・村上大河右翼手（２年）が死球で出塁し無死満塁。続く主将の伊藤悠斗二塁手（２年）が右犠飛で１点を返し、さらに高田昊一塁手（２年）がスクイズを決め１点差。２死二塁まで進めたが、最後は代打・川島琉雅（２年）が三振に倒れ、別海が勝利した。

■最低目標にしていた４強入りを達成した別海の島影隆啓監督（４１）
「ほんとに４強に来たって。少人数で全道大会を戦うのは本当に大変。それでも攻守交代で全力疾走でやってくれているし、最後までこれぞ高校野球っていうものをやってくれている。そこがうれしい」

■１０回完投１０奪三振の別海・堺暖貴投手（２年）
「十回は３点という余裕もあったので、点はやらないっていうよりもアウトを確実に取ることを意識した。結果的にもアウトを取ってリズムに乗ることができた」