田中正義 プロ7年目で初めてシーズン完走 守護神を支えた人たちとは
ソフトバンクにFA移籍した近藤の人的補償で新天地へ
日本ハムの田中正義投手(29)がプロ7年目で自身初のシーズン完走を果たした。今年1月、FA移籍した近藤の人的補償で、日本ハムの一員になった。新しい環境で自身の能力を最大限に発揮できたのは、首脳陣、チームメートの支えが大きかった。
ともに野球人生を振り返ってくれた建山コーチ
シーズン開幕直前の3月。ブルペンでの投球練習で調子が上がらなかった田中正に、建山投手コーチが声をかけてくれた。親身になって話を聞いてくれ、ここまでの野球人生をともに振り返った。「僕の性格を理解してもらって、尊重してもらってありがたい。周りの人に支えてもらった1年でした」。建山コーチは右腕の性格を知ろうと、その時に読んでいた本を購入してくれた。
本音をぶつけられる伏見 まさに女房役
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同じく新加入の伏見も、田中正を支えてくれた人物の1人だ。「寅威さんがいなかったら、ちょっとどうなっていたか分からない。本音を隠さず、話ができる。感謝しています」。オリックスからFA移籍した女房役は、心を許し、何でも話せる相手だった。
〝教授〟の経験談も生かした 北山「伝えられるところは伝えました」
プロ2年目で〝教授〟の愛称を持つ北山とは、体の使い方、トレーニングの方法、哲学的な話でよく盛り上がった。今季、守護神として25セーブを挙げて覚醒した田中正に、昨季ルーキーながら抑えを担った経験談を惜しみなく伝えてくれた。
北山はその内容をこう明かす。「クローザーを経験した人にしか分からない心境とか、1年を通しての変化とかも、あらかじめ僕が伝えられるところは伝えました。何月くらいにこういう疲れが来ますよとか。去年、僕は9セーブ。(田中正の成績が)10セーブくらいまでは自分の気付いたところは全部、伝えていました。そこからは、正義さんにしか分からない境域だと思いますと」。シーズン途中に先発転向した2年目右腕は、快くサポートしてくれた。
勝利への貢献こそが恩返し 来季の目標は優勝
充実のシーズンを終え、しばしリフレッシュ。21日からは千葉・鎌ケ谷での秋季練習に参加し、汗を流している。「やっぱり一番は優勝に貢献したいなというのがある。勝ち試合で信頼して出せるようなピッチャーになるっていうのが一番かなと思います」。仲間への感謝を胸に、背番号26は来シーズンに向けて歩みを進めている。