横浜FC戦にどれだけの危機感を持って臨めるかが問われている《河合CRC竜の眼》
古巣でトークショー
10月21日に行われたアウェー横浜M戦では、試合前に行われた『レジェンドトークショー』に、元チームメートの波戸康広さん、栗原勇蔵さんと共に出演させていただいた。横浜Mだけでなく札幌のサポーターも一緒にトークショーを聞いている光景をステージから見て、とてもほほ笑ましく感じたし、ファン、サポーターのリアクションを間近で見ることができたのがうれしかった。
横浜Mサポから現役時のチャントに感謝
何よりも横浜Mのサポーターから自分の在籍時のチャント(応援歌)を歌ってもらえ、「ああ、こんなことってあるんだな」という驚きの気持ちと、代えがたい感謝の気持ちを同時に感じた。一緒に戦った仲間と話すことで横浜M時代の思い出もよみがえってきたし、非常に楽しい時間を過ごすことができた。
後半序盤のチャンスを決めていれば
試合の方は残念ながら1-4で敗れてしまったが、点差ほどの差は無く、拮抗した試合だったのではないかと感じた。終盤に1点を奪いに行かなければいけないというところで点差が開いたが、後半序盤のチャンスを決めていれば本当に分からなかったと思う。失点はちょっとしたパスミスがきっかけとなった、もったいないものだったし、攻撃面でもゴール前の精度というところで相手よりも劣っていたのかなと感じてしまった。
失点シーンは奪われ方が悪かった
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
試合序盤は札幌がペースをつかんでいたが、前半19分に相手陣内から一気にカウンターを受けてFW宮市に先制点を許してしまった。敵陣ペナルティーエリア手前での連係のズレがきっかけとなったが、あそこでミスをしてしまうと、相手DFは前向きの状態でボールを奪うことができるため、縦の速い攻撃につなげられてしまう。本当にちょっとしたズレは修正していかなければいけない。リスクを負って攻撃に比重をかけている分、奪われた瞬間はバランスがどうしても悪くなる。3失点目、4失点目も同じようなミスからだったが、奪われ方が悪すぎたかなと感じた。
決定力は重要 決まっていれば違う展開に
先制点を許したあとは札幌も何度もチャンスをつくったが、シュートの精度を欠いていた。やはりチャンスで決めきるというのは非常に重要なことであるし、どれか一つでも入っていれば違った展開になっていたはずだ。
チームの底力 運も味方
後半39にFW杉本に追加点を決められたが、あの得点は本当にアンラッキーとしか言えない。あのシュートは狙ってはいなかったと思うが、あそこで振り抜いた結果、生れたものだと思う。横浜Mにとってはケガ人が多くいる状況で迎えた一戦だったが、そんな中でも代わった選手が点を取って勝つというあたり、チームの底力を感じさせられてしまった。
夏に補強できなかったことも影響
この試合に敗れた札幌は勝ち点33で足踏みが続いている。リーグ後半戦に入って白星を一つしか積み上げられておらず、やはり夏場以降に非常に苦しい状況に陥った印象がある。ケガ人が多く出たこともあるし、MF金子など期限付き移籍する選手も多くいた中で、補強ができなかったことも影響しているのではないかと思う。
残り4試合中3試合はホーム開催
リーグ戦は残り4試合となったが、そのうち3試合をホームで行えるというのはアドバンテージがある。その初戦となる今月28日は、勝ち点26で降格圏にいる横浜FCとの直接対決。勝てば自力でJ1残留を決められる試合だが、負ければ勝った場合と勝ち点6差が違う6ポイントマッチとなるだけに、この試合にどれだけの危機感を持って臨めるかが問われている。きれいな形で崩す、人々を魅了するサッカーというよりは、本当に目の前の試合を死に物狂いで戦って、勝利をつかみ取らなければならない。