東海大札幌高が14年以来の決勝進出 1年生左腕・矢吹がOBの阪神・門別直伝スライダーでシャットアウト【秋季全道高校野球】
■秋季全道高校野球大会第6日(10月25日、札幌ドーム)
▽準決勝 東海大札幌高4-2帯広大谷
五回途中からリリーフし 4回⅓無失点
1年生左腕の好リリーフで優勝した2014年以来、9年ぶりに決勝に駒を進めた。1点リードの五回途中から登板した3番手の矢吹太寛投手(たお、1年)が4回⅓無失点の快投を見せ、チームの勝利に貢献した。最速141キロを誇る左腕は「今大会を含めて、あと4回チャンスがある。その4回で日本一になれるように頑張りたい」と意気込んだ。
六、七回は連続3者凡退
九回2死一、二塁、最後の打者を130キロ直球で三ゴロに仕留めると、矢吹は力強く左拳を握った。1点差に迫られた五回2死二塁から登板。最初の打者から得意のスライダーで三振を奪うと、六、七回は2イニング連続の3者凡退に仕留め、相手の勢いを削いだ。終盤は八回無死一塁、九回無死一、二塁とピンチを背負ったが、「いつも通り自分のピッチングをして、打たせて取ってアウトを取っていこうと思っていました」と顔色を変えることなく淡々とキャッチャーミットを目がけて投げ込み、涼しい顔で打者を打ち取っていった。
「ゲーム勘は門別(阪神)より良いかも」大脇監督
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大脇英徳監督(48)も「よく投げた。どんな状況でも落ち着いている。最後のピンチの場面もたいして(焦りを)感じていなかった」と認める強心臓ぶり。同じ左腕で同校OBの阪神・門別啓人投手(19)の1年秋と比較し「ゲーム勘に関しては門別より良いのかも」と称えた。矢吹自身も「中継ぎの方が得意。ピンチの場面が多いほどスイッチが入る」と、スクランブル登板に自信を覗かせた。
中指で切るスライダーから門別流の人差し指へ
その門別直伝のスライダーが矢吹の投球を支えている。門別がまだ在学時、矢吹は入学前だったが一緒に練習する機会に恵まれたという。それまではリリースの際に中指でボールを切る感覚でスライダーを投じていたが、門別からは人差し指で切る投げ方を教わった。「そういう考え方はなかった」と習得までに半年ほど時間を要したが、確実に威力は増した。曲がり幅はボール1~2個分大きくなり、より打者の手前で曲がるようになった。
春夏王者の北海相手にも「絶対に負けない」
スライダーのほかにもカーブ、チェンジアップ、フォーク、カットボールと球種は多彩だが、「スライダーと真っすぐで抑えられる」と自信のある2球種を中心に投球を組み立てている。決勝は夏の甲子園に出場した北海と対戦する。「上位に良いバッターが多い。自分自身は変わることなく、いつも通りのピッチングをして、絶対に負けない」と闘志を燃やす。北海は今年の春夏王者だが、新チームとなった秋は譲れない。