■Ｖリーグ男子１部　ヴォレアス北海道０－３東京グレートベアーズ（１０月２９日、旭川市リアルター夢りんご体育館）

ＭＢ陣は満身創痍

　開幕４連敗―。ヴォレアス北海道は２８日に続き、東京グレートベアーズから１セットも奪えずに屈した。さらに２８日に負傷した樫村大仁（２４）のみならず、井上仁（３１）、田城貴之（３１）もフィジカル面に不安を抱えるなど、ミドルブロッカー（ＭＢ）陣は満身創痍の状態だ。早くも試練を突き付けられている状態だが、ＭＢで副主将を務める後藤万澄（２７）は「落ち込んでも引きずらないように」と前を向いた。

クライン監督「ベストじゃなければ落ちてしまう」

　不安がある中で戦えるほど、Ｖ１は甘くはない。連日のストレート負けを喫し、エド・クライン監督（４２）は「いいプレーができなかった。自分たちのレベルは把握しているつもり。調子がいい日であればどのチームでも戦えると思っているが、ベストな状態じゃなければ落ちてしまう」と振り返った。というのも、負傷者が続出する現実と向き合わなければいけないからだ。

速攻対応が弱点の相手にクイック攻撃できず

　樫村が２８日の同戦で左アキレス腱を痛め途中交代を余儀なくされたが、同じＭＢの井上も腰の状態が万全ではなかった。両日とも痛み止めを服用しながら試合に出場。今季未出場の田城も腰に不安を抱えている。クライン監督は「まだ正確な診断が出ていない」と説明した。ＭＢを欠くと攻撃も両サイドに頼らざるを得なくなる。指揮官は「（２試合とも）オフェンスに影響した。クイック攻撃ができなかった。速攻は相手の弱点でもあった」と悔やんだ。

サーブにＶ２との違い

　サーブレシーブも修正できなかった。成功率は４５．８％と２８日の４７．５％をも下回った。一方の東京ＧＢは両日５６％を超える数値を記録しており、約１０％の差を付けられている。いいパスが返らないと、自ずと攻撃に迫力も生まれない。アウトサイドヒッター（ＯＨ）の酒井駿（２６）はサーブについて「スピードもパワーも違うし、しっかり的確なコースを狙ってくる」とＶ２との違いを話した。

ＯＨ戸田、次回の同窓対決に意欲

　同じくＯＨの戸田拓也（２７）も「ミスが少ない」とサーブの精度の高さを感じ取っている。東京ＧＢの柳町逸太（２７）と東海大四高、東海大時代のチームメート。「マッチアップすることがほとんどなかった。今後は両チームで試合に出場してマッチアップする機会が増えれば」とさらに成長した上で、盟友と再会することを誓った。

次戦は堺「ポジティブにやっていきたい」

　次戦は１１月４、５日に敵地で日本製鉄堺ブレイザーズと２連戦。負傷者も多いことからクライン監督は「今週の練習に関してはあまり良くない状況」と苦笑いしつつも、「ポジティブにやっていきたい」と前向きにチームの成長を促していくつもりだ。両チーム最多の２０得点をマークしたＯＨ張育陞主将（２３）も「練習して次の試合のために頑張りたい」と力を込めた。勝利から遠ざかってはいるが、誰一人として闘志を絶やすことはない。