【一問一答】武田久氏が1軍投手コーチに就任 「ただ優しいだけじゃなく、メリハリをつけながら」
日本ハムは30日、球団OBの武田久氏(45)が1軍投手コーチに就任すると発表した。同日、エスコンフィールドで会見が行われ、同席した新庄剛志監督(51)は「一緒に現役をやって、優勝も一緒に経験した。センターから見ていて、強気にインコースに投げて、外のスライダーで抑えて、四球が少なかった投手。ファウルを打たせるテクニックをすごく持っているので、その辺を選手たちにどんどん教えてほしい」と期待を寄せた。武田氏の一問一答は以下の通り。
―コーチ就任の話を聞いた時の心境は
「夏くらいだったと思うんですけど、その時、自分のチームも活動中だったので、うれしいとかよりも、もし受け入れたら、すごい責任があるなって。そんな感じでしたね。その時点では、まだ決められる状況ではなかったので」
―再び日本ハムのユニホームを着ることにうれしさはあるか
「入団して、ファイターズに育てていただいて今があるので、こうやって戻って来られるのはうれしいですけど、でもここからだと思うんでね。僕がプレーするわけではないんですけど、強いファイターズにしていきたいなっていうのはあるので、うれしさっていうより責任を感じますね。ファイターズを離れて6年たつんですけど、その間、野球も変わってきていると思う。僕は僕なりにアマチュア野球で6年間、コーチングの勉強をさせてもらったんですけど、まずしっかり、今どういう野球界になっているか、日々勉強しながら、今の時代にアップデートしていきたい。引き締まる思いでいます」
―投手陣の印象は
「先発もしっかり頑張っていて、リリーフも。順位は最下位だったんですよね、すみません…。でもそんなイメージはないです。本当に、田中正義、見たことないですけど、後ろがまず安定して先発もいて、形にはなっていると思うので、十分やっていけるとは思うんですけど。それくらいしか分からないです」
―球場も変わった
「いやあ、いいですね。ここで投げたかったですね、僕も。きれいだし。狭くなって、でもそんなにホームラン出ていないですよね、実際。だからそこまで、ピッチャーが不利なわけではない、そういう印象があります。でもいい球場ですねー」
―今の時代に向けてアップデートしたいと。登板間隔などか
「そういうのは僕らの時もあったんですけど、僕がいた時代よりすごい数値化されるようになってきていて、もちろんデータってあった方がいいんですけど、それをどうやって生かすのか。もちろん、みんな興味があって、見ると思うんですけど、じゃあ自分がどういうタイプのピッチャーに当てはまるのかとか、そういうのは僕が現役の時にはまだなかったことなので、興味がありますし、そこは大きく変わりましたね。ここ7、8年くらいで。トラックマンとかいろいろ、ちょうど僕は出始めのころで、あんまりなかったので」
―新庄監督は四球を少なくしたいと。どう指導するか
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
「うーん、やっぱり、勇気を持ってゾーンで勝負していく、まずそこですよね。プロだろうがアマチュア野球だろうが、打たれれば反省できる。ゾーンに投げて、最低限ピッチャーとしてスタートラインだと思うので。で、何をするかっていったら、キャッチボールがちゃんとできているのか、やっぱりさかのぼっていけば、いろいろ突き詰めていくところがあると思うので。僕はアマチュアを指導している時も、キャッチボールの大事さはずっと言い続けてきたので。まずはしっかりストライクゾーンで勝負していくのは原点じゃないかなと思います」
―アマチュアを指導してどうだったか
「本当、コーチングは難しいですね。今はこう、プロのコーチとして戻ってきましたけど、今、自分がコーチングできているかといったら、できているとは思わないし。コーチングって人を導くとか、いろんな意味があると思うんですけど、なかなか難しいことで、正解がない中でやっている。本当、これは野球人でいる以上はずっと探求し続けて、おそらく、野球やめる時も分からないと思うんですけど、それくらい分からないものだと思います、コーチングって」
―就任に当たって決め手になったものは
「僕は正直、チームに所属していたので、その兼ね合いとかもあったので。その、ちょうど向こうも契約が終わるタイミングでこっちも、という感じで。やっぱり縁があってこうやって声をかけていただいて、またタイミングとかもあったと思いますし。あとはやっぱり強くなってほしいという思いですよね」
―最下位に寂しい思いもあったか
「そうですね。たぶん、この数字より結構、意外と惜しい試合もあったと思うんですよ。そういうのも数字だけで表れない、もうちょっとできたというのもあると思いますし。そういうところはもうちょと詰めていければ。希望を持ってやりたいですね。息子がファイターズファンなんですよ。息子はしょっちゅう見ていて、僕より詳しいんですよ。僕は正直、あんまり見られていなかったんですけど、息子はめっちゃ詳しいんですよね。誰が抹消されたとか知っているし」
―息子さんはコーチ就任を喜んだのでは
「どうなんですかね。もう今、高校生で、なんかまあ年頃的にね、冷めているじゃないですか」
―11月1日のキャンプから合流するか
「その予定です」
―役割はブルペン担当になるのか
「そうですね。ブルペンになると思います。あと、これ本当に、コーチングって難しくて。今、寄り添うとかあるじゃないですか。寄り添うとか、歩み寄るとか。もちろんすごく大事な言葉で、僕もすごく大事にして指導してきたんですけど、それだけじゃダメだなっていうのも、何となく分かっていて。やっぱり結果がどうしても付いてくるので、うまくいかない時の方が多いので、時には厳しい言葉もかけないといけない。だから、そこは指導していく上で、ただ優しいだけじゃなく、メリハリをつけながら、そこはやっていきたいなと。現状をしっかり受け入れて、またさらに上を目指せば。やっぱり、その繰り返しになると思うんです。そこの作業はしっかり、良いとこは良い、良くないとこは良くないっていうのはしっかり伝えていきたいなというのはあります。寄り添うだけではダメなのかなっていうのはあります。でもこれ、『厳しく』とか書かないでくださいね(笑)。それはアマチュア野球をやっていて、やっぱり思いましたね」
―指導者で参考になった人は
「僕は(現ロッテ監督の)吉井さん、好きでしたね。基本的にそんなに教えたりはしないんですけど、こっちが何かを聞いたりした時に会話がしっかりできて、コーチングを勉強しているんだなっていう。やっぱそういうのは、今は一方通行じゃダメだと思うので。でも優しすぎてもダメだと思いますし。そこはうまくやっていきたいと思います」