【一問一答】2軍内野守備走塁コーチに就任した岩舘学氏が決意表明 「守備にも個性がある」
日本ハムは30日、今季プロスカウトを務めた岩舘学氏(42)が2軍内野守備走塁コーチに就任すると発表した。岩舘氏は同日、エスコンフィールドで会見を行い、「野球人として、引退後にユニホームを着られることはありがいたいことですし、非常に感謝しています。10年ぶりにユニホームを着ることになりますけども、とにかく選手のために頑張っていきます」と決意表明。若手の育成について「スカウトを5年やらせていただいて、その後スコアラーをやらせていただいた。(プロに)入ってくる選手にはたくさんの人の思いが詰まっていますので、入ってくる選手の個性をまずはしっかり見てあげて、一緒にレベルアップしていけたらなと思います」と意気込みを語った。一問一答は以下の通り。
―どんな選手を育てたいか
「おそらく、球団の選手に対するイメージがあると思う。誰もがポジションを与えてもらって、やりたいと思うけど、そうじゃなくても生きていけるのがプロ野球界だと思うので、そういうのが個性になったりする。そういうのを見極めて、一つのポジションしか守れなかったらダメだと思いますし、その辺も話し合って同じ方向を向いてやらないと難しいし、おかしくなる」
―1軍で活躍する選手を
「そうですね。少しでも1軍で幸せな時間を経験してもらいたい。僕もそうですけど、実績はなかったけど、幸せにユニフォームを脱げた、辞められたというのは1軍で少しでも幸せな時間があるから。そういうのは最低限、感じながらユニフォームを脱ぐ、引退するということには、何とかお手伝いできるんじゃないかなと」
―コーチ就任の話を聞いた時の心境は
「一つの目標でもありましたけど、驚きはありました。当然、10年たっていろいろな経験もさせてもらった。なかなかみんなスコアラー、スカウトを経験できないと思う。それでまたユニホーム着させてもらうというのは感謝しかない。驚きと感謝ですね」
―スコアラーの立場から見た今のファイターズの課題は
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「個々の能力を上げないといけないのは当然、思うけど、野球勘というか、ゲームの流れとか、もっとファームでやるべきことはあったのかなと。そういうのが、1軍で打った打たないだけになってしまうと、流れとかもつながっていかない。アウトのなり方とか、エラーの仕方とか。そういう姿はもうちょっと変えられるかなと。エラー数も見ましたけど、しちゃいけない場所、していい場所はないですけど、してしまった時の姿とかはピッチャーも見ているし、ファンも見ている。仕方ないなというエラーを積み重ねていければ、勝手にエラー数は減っていくと思っている。そういうのはファームで。1軍ではどんな過程でもエラーしてしまってはダメ。ファームではそういうのは勉強できるので見ていきたい」
―チャレンジして良いところとは
「最悪、前に落として、エラーはついたとしても1点入らなくてOK、みたいなケースはあると思う。アウトにできなくても。そこの見極めと、そういう心構えができていたかどうか。全てファインプレー、アウトにしようではエラーにつながってしまう。そこら辺は話し合いながら。ゲームの流れと。スコアラーをやっていて、そこが大事かなと。強いチームを見ていると、そういうことができている。最低限のプレーができる選手が多いな、と。その後、ピッチャーが頑張ってくれるとか、そういうのにつながっていくと思うんです。うちの選手に限らずですけど、やっぱりみんなチャンスをつかみたいんで、どうしてもファインプレーしたいし、アウトにしたいしってなってくる。無理をするプレーにつながりますよね。それとエラー数は関係性があるんじゃないかなって思います」
ーファームの舞台の先にエスコンがある。その対策は
「難しいとは思うんですね。ただやることっていうのはそんな大きく変わらないと思います。ゴロを捕ることに関して、基本的な動きっていうのは大きく変える必要はない。エスコンだからこう守るとか、人工芝だからこう守るっていうことよりも、自分が自信を持って守れる形をまずつくる。その上で、自分の中で柔軟性を持たせるような、そういう選手になってくれれば。エスコンに限らず、そういうところに対応力がついてくればなと」
ー現役時代に指導者から言われて印象に残っていることは
「技術的なことは結構、僕もジャイアンツ時代からいろんなコーチに教わってきたんで、いろいろありますね。それも、僕の中での引き出しをたくさんつくってくれているので。守備も意外と個性というか、人それぞれ捕り方もあるだろうし、骨格、手の長さ、股関節の硬さによっても変わってくるところがある。そういうのも『じゃあ、おまえはこうしような』っていう、臨機応変にやれる方が近道かなと」
ーファームのコーチとして、1軍に引き上げることも仕事になる。どんな選手が求められていると思うか
「おそらく、ファームでの役割と1軍に上がった時の役割は変わってくると思う。ただ、最終的な目的はそれぞれにある」
ー役割を自覚することが大事
「そうですね。上に上がった時にはこういう役割になるから、こういうのもできてないといけない、とか。今は下で4番を打っているけど、上では4番は打てないよね。バッターで勝負するタイプだとしても、最低限、守備はこれぐらいできないと上じゃ勝負できないよと。僕自身がそんなに実力があった選手じゃなくて、ほんとに120%できた時にやっと1軍で勝負できていたぐらいな感覚だったので。そういう選手じゃなくて、80%ぐらいで143試合やれる選手じゃないと、1軍では勝負できないので。1試合だけ出るならできるけど、それを20試合、30試合、50試合、100試合ってなってくると、やっぱ80%で100%っていうことを求められる。若い子には、将来的にはそうならなきゃいけないんだから、常に100%でガチガチやっててもそれはけがをするし、それじゃレギュラーになれないよと。80%でいいから、でも100%にやってるように見せなきゃいけない。それがレギュラーのすごさなんだから、そういうのは伝えていきたいですね」